さいどう・あざみ
1989年、岩手県盛岡市生まれ。2012年、岩手大学教育学部卒業。座間市相模が丘在住。受賞作『サナキの森』は新潮社より2015年1月に刊行される。

第1回 新潮ミステリー大賞

ストーリー性豊かな、広義のミステリー小説を募集。大賞受賞者には賞金300万円が贈られる。選考委員はは伊坂幸太郎、貴志祐介、道尾秀介。
主催 新潮社/後援 東映

彩藤アザミさん

こんな美味しい賞は
他にないぞ

 公募ガイドをご覧のみなさま、ごきげんよう。彩藤アザミです。
 さて、この度は「第1回新潮ミステリー大賞」の受賞者として私にお鉢が回ってきたわけですが、最初に断っておきましょう。あまり立派な志は無いので大層なことは書けません。
 中学生の頃から自由業になるのが夢でした。何故かと言うと、その頃にはすでに、自分は世の中に上手く適応出来ていないな、という自覚があったからです。
 将来何かまともな仕事に就いて、真っ当な生き方をすることは向いてないとぼんやり思っていました(おそらく、多くの人が「自分は特別だ」と思ってしまうように、こんなことを考えているのだろうとは思いますが)。
 うぬぼれた話ですけれど、自分という人間は会社員になるより、小説家を目指す方がまだ出世する可能性があると思っていたのです。
 そんな本心はおくびにも出さず真面目に就職活動をするふりをしていた学生時代、こっそり小説を書き始め、卒業後も新人賞に投稿し続けました。書いては落とされ続けること2年くらい、ついにこの賞の募集告知を知ったのです。賞金も選考委員も後援も豪華過ぎて、「こんな美味しい賞は他にないぞ」と、闘志を燃やしました。
 しかし、新しく創設されたこの賞、傾向がまるで解らない。
 本当は暗い話が書きたいのですが、需要がないだろうという理由でずっと書くのを躊躇っていました。また、最近はライトミステリがブームなので、そういう路線の方が良いのかしらとも考え迷っていたところ、ふいに天啓が降りたのです。
―どっちも書けばいいじゃん― 
 そうして、旧字体で書いたレトロで奇怪な作中作とコミカルな本編が交錯するという構成の受賞作『サナキの森』が生まれた訳です。

 今でこそ、この賞を獲るために他の賞に落ち続けていたんだと思えるようになりました。「小説新潮2月号」には蝶標本をモチーフに据えた受賞後初となる推理短編も掲載される予定です。
 このまま書き続けて筆一本で食べていけるようになるのが夢です。叶ったら印税で引きこもり生活をします。
(さいどう・あざみ)

受賞作

『サナキの森』

大学卒業後、学校の教員をしていた荊庭紅子は、二年で退職。引きこもり生活を送っていた。ある日、亡くなった祖父宅の後片付けをしていると、自分宛の手紙が挟まれた『サナキの森』という本を見つける。手紙には、自分の墓にあるもるものを供えて欲しいと書かれていた。祖父の願いを叶えるべく、本の舞台となった村に赴くと不思議な出来事が――。

いしかわ・もとこ
愛知県名古屋市生まれ。京都教育大学教育学部特修美術科卒業。趣味は公募に応募すること。好きな作家・アーティストは小川洋子、出久根育、エゴン・シーレ、山岸凉子、上原ひろみ。受賞作『ほしじいたけ ほしばあたけ』は講談社より2015年秋頃刊行される。

第36回 講談社絵本新人賞

石川基子さん

入賞通知の際の高揚感で
公募依存症に

 15年ほど前にも公募ガイドに載せていただいたことがあります。北海道アルバイト情報社主催の「ザ・年賀SHOW」というコンテストで、吐き出す炎で餅を焼く竜のイラストがザ・年賀賞に選ばれたため、コメントの依頼があったのでした。
 その頃は、公募ガイドで各種コンテストをチェックし、締め切りをスケジュール帳に書き込み、賞金は何に使おうかと妄想しつつ制作し、万が一落選となっても(実際は落選の方が多い)落ち込まないよう常に複数の結果待ちとなるよう応募を掛け持ちし、という充実した公募生活でした。そして入賞通知の際の高揚感でますます公募依存症に……。作品を出版社などに持ち込みする度胸も持たない私にとって、チャンスを与えてくれる場でもありました。
 一枚絵のイラストからだんだん絵本の公募にも手を広げ出し、都市構造研究所「やさい絵本」の公募・最優秀賞を皮切りに「可児市手づくり絵本大賞」、「ミツバチの童話と絵本のコンクール」、「おひさま大賞」、「MOEイラスト・絵本大賞」……と、こうして書いてみると節操がないと言えるほどあれこれ応募しました。が、そんな中で「講談社絵本新人賞」はとてもハードルが高いように思え、挑戦できずにいました。
 5年前より四日市の子どもの本の専門店メリーゴーランドの絵本塾に通い始め、そこでつくったラフをもとに描いた作品で「ピンポイント絵本コンペ」最優秀賞を受賞。残すは絵本新人賞のみ!と、同じく絵本塾で練ったラフをもとにした絵本で昨年度は佳作、同様にして今回の新人賞獲得となりました。
 ほしじいたけというキャラクターは、何年も前に公募のアイデアを考える中で副産物的に現れたものですし、絵本塾に通い始めたのも、あるコンテストの表彰式がきっかけで知り合った友人の情報によるもの。振り返ってみると公募は私の創作活動にとても深く関わっていて、公募ガイドさんには大変お世話になりましたと、一度ご挨拶に伺いたいほどです。今回この場をお借りして、お礼申し上げます。
 (いしかわ・もとこ)

受賞作

『ほしじいたけ ほしばあたけ』

きのこ村のきのこたちから敬愛されている、ほしじいたけと、ほしばあたけ。ある日、きのこ村の子どもが谷に落ちてしまい、それを聞いたほしじいたけは……。個性ゆたかなきのこたちの魅力も満点の、ユーモアたっぷりの楽しいお話。               
              

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