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探偵キャラクターと著作権(2007年10月号)

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公募ガイド誌上で1998年4月号から2014年3月号に渡って連載された、「公募のための著作権Q&A」を再掲載します。

毎週火曜日にバックナンバーを更新していきます。

 

講師:吉田大輔(放送大学客員教授)

探偵キャラクターと著作権

過去の推理小説に登場した有名な探偵の特徴などを利用して、独自の探偵小説を作成する場合、著作権侵害となりますか?

 

探偵の特徴などアイデアの利用にとどまるのか、原作の表現の利用に及ぶのかという点が判断の分かれ目になります

 

推理小説の世界ではコナン・ドイル氏(1930年没)のシャーロック・ホームズなど、数多くの個性豊かな探偵像が生み出され、多くのファンを獲得してきました。多くのファンを持つ探偵になればなるほど、その魅力的な探偵像を使って新しい物語を作ってみたいという欲求が生じるのもやむを得ないでしょう。そこで、「続編」とか、「パロディ」「パスティーシュ」とか呼ばれる作品が生み出されることになります。


前回、「ドラえもん」のキャラクターを使って新しいマンガを作る場合には著作権侵害のおそれが高いと説明しました。マンガ・キャラクターの場合には、どうしてもキャラクターの絵画的な「表現」を利用せざるを得ないという事情がありますが、推理小説の探偵像の場合には事情が異なります。

 

著作権には、「表現は保護するが、アイデアは保護しない」という原則があります。探偵の特徴や性格、捜査のスタイル、状況設定などは、「アイデア」の領域に属するもので、著作権では保護されないと考えられるからです。オリジナル作品は、このアイデアの上に具体的なストーリーが展開され、多様な登場人物の行動や発言などを含めて、著作物としての表現がなされています。したがって、オリジナル作品のストーリーや文章なども利用している場合には、オリジナル作品の「翻案」や「複製」として著作権の対象となりますが、アイデア部分のみの利用であれば著作権侵害にはならないということになります。


ただし、「翻案」に当たるのではないかという主張や、著作権侵害ではないとしても、オリジナル作品の名声に「ただ乗り」しているのではないかとの批判はあり得ます。シャーロック・ホームズが登場するパロディ作品などは1980年代以降世界的に急増したということですが、著作権トラブルを避けるために、コナン・ドイル氏の著作権が消滅する時期を見計らっていたという背景があるのかもしれません。

 

※この記事は、「月刊公募ガイド」2007年10月号で掲載されたものです。法改正などにより、当時と状況が変わっている場合があります。

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