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賞と顔 2013年12月

第25回 日本ファンタジーノベル大賞

創作ファンタジー小説を募集。受賞作品は新潮社から単行本として刊行。日本語で書いた作品に限る。選考委員は荒俣宏、小谷真理、椎名誠、鈴木光司、萩尾望都。大賞受賞者には500 万円と記念品が贈られる。

受賞者:古谷田奈月さん

こやた・なつき

1981年、千葉県生まれ。二松学舎大学文学部国文学科卒業。現在はアルバイト。趣味は音楽鑑賞。好きな作家はミヒャエル・エンデ、ジョン・アーヴィング、ニコルソン・ベイカー。受賞作『星の民のクリスマス』(『今年の贈り物』から改名)は、新潮社より11月22日刊行される。

何よりもまず作品を思い
そのために
本心に忠実であること
日本ファンタジーノベル大賞への応募は今回が初めてのことでしたが、こうして賞をいただいた今、もっとも強く感じているのは「書きたいものを書くべきだ」ということです。
これまで、私は何年ものあいだ純文学系の賞に作品を送り続けてきました。書くのなら「真面目に」文学をやらねばならない、という妙な思い込みがあったのです。作品を書くことはそれでも十分楽しいものでしたし、最終選考に残ったこともあったので、その方向性に疑問を感じることはありませんでした。
でも、そうして何作も書いているうち、「賞のために生まれた作品」に対してなんともいやな違和感をおぼえるようになったのです。作品と自分とのあいだによそよそしさを感じるようになって、書き手として正しくないことをしている、と思うようになりました。
そこから抜け出すために自分の本心と向き合ったとき、子供の頃から親しんできたファンタジーの世界が選択肢として浮かびました。私が心から楽しんで、まるで物語と対話するように夢中になるのは、読むのも、そして書くのも、いつでもファンタジーだったと思い出したのです。今回の受賞作はもともと、純文学を書く傍ら趣味で書いていたものでした。
月並みのようですが、「自分を見つめ直す」というのがいかに大事かを学んだように思います。自分を殺せば結局作品も死んでしまう。何よりもまず作品を思い、そのために本心に忠実であることは、すべての作家の義務であり唯一の共通項なのだと、今ではそう信じています。
私は自分を物語作家だと思っていますし、フィクションを書くことに誇りも持っていますが、それでも信念は「決して嘘を書かないこと」です。今後はこれまでと違い、求められて書く機会もあるのでしょうが、これだけは常に心に留めておこうと思います。
今後の目標は、とにかく書き続けることです。つらいことも多いとは思いますが、この長い戦いに乗り出せたこと、心から嬉しく思います。
(こやた・なつき)

受賞作『星の民のクリスマス』

「フィクション」を成立させるためにはいかなる「現実」が必要になるかを、クリスマス・ストーリーをベースに描いた物語。親と子、そして物語への愛がこぼれだす、残酷でキュートなファンタスティック長編。

第35回PFF ぴあフィルムフェスティバル「PFFアワード2013」

自主制作映画のコンペティション。グランプリ受賞者には賞金100 万円が贈られ、入賞者は、長編映画製作援助システム「PFF スカラシップ」への企画挑戦を獲得できる。入選作は映画祭「PFF ぴあフィルムフェスティバル」(公式サイト http://pff.jp/)で全国上映される。

受賞者:市川悠輔さん

いちかわ・ゆうすけ

1985年、山形県生まれ。東北芸術工科大学情報デザイン学科映像コース卒業。現在は映像制作会社に勤務。受賞作『夜とケイゴカー』は名古屋(11月12日~17日)、京都(12月)、神戸(12月21日~23日)、福岡(2014年4月)で順次開催される「PFFぴあ フィルムフェスティバル」で上映、東京国際映画祭(スプラッシュ部門)、TAMA NEW WAVE(ある視点部門)で上映された。

書いて送る行為に
ほとんど中毒になって
映画を撮りたくて上京したものの、仕事が忙しく、いつの間にか4年が経っていました。そんな中、PFFの映画に触れ、映画の勢いや熱量に圧倒され焦りを感じました。このままではいけないと、キャストとスタッフをネットで募集。すぐさま6日間の撮影を決行。目標にしたのはもちろんPFF入選です。
PFFでは、自主映画には自主映画の魅力があることに気づかされました。暴力的なショットの数々、荒々しいカット割り、狂気むき出しの長回し、技術的に出来ない事は多いけれど、自主映画でなければ出来ない事もあると感じました。
そして、それがいつしか、その人のスタイルや個性になるのではないかと思います。今回受賞した作品にも、その考えが自ずと反映されています。数々の自主映画に触れ、映画とは何だろうと以前より深く考えるようになりました。
今回グランプリをいただいた『夜とケイゴカー』は、イッチーとケイゴという2人の青年が田舎道をひた走るロードムービーです。登場人物と自分との距離感を近づけたいという思いから、主人公2人のモデルを、自分と大学時代の友人に設定しました。互いに見下し、文句を言い合いながらも、いつも一緒にいる凸凹コンビ。男子にみられる幼稚さをテーマとして、カッコつけたがり、高いプライド、語彙の少ない会話など、どうしようもなさを滑稽に描きつつ破天荒なロードムービーに仕上げました。
駄目駄目な2人を魅力的に描きたいという思いがあった本作ですが、最終審査員の中井美穂さんに「登場人物を最後まで愛おしく描ききった」と好評いただいた時は、伝わったとほっとしました。また制作を進めていくうち廃車にできる車があると知り、当初予定にはなかった、壊れた車に乗り込む2人をラストに加えました。それが、より映画らしいラストになったと満足しています。
誰に頼まれた訳でもなく、誰も見ないかもしれない映画をつくる。その事に対する疑問は常にありましたが、とにかく自分が見たい映画をつくるという好奇心が強かったと思います。今後も自分が理想とする映画を求めて制作に携わっていきたいです。
(いちかわ・ゆうすけ)

受賞作『夜とケイゴカー』

イッチーとケイゴは車に乗って田舎道を走る。一回死んでも蘇り、虚構と現実の境も壊し、イッチーとケイゴは走る走る。これぞテン年代のロードムービー!

第2回 集英社みらい文庫大賞

小・中学生向けエンターテインメント小説を募集。大賞作品は「集英社みらい文庫」から刊行。日本語で書かれた作品に限る。選考委員はあさのあつこ、石崎洋司、中村航、深沢美潮。大賞受賞者には50万円が贈られる。

受賞者:森 三月さん

もり・さんがつ

1986年、香川県生まれ。現在は京都府在住、就職活動中。趣味はギザギザ十円玉集め。受賞作『神さま、事件です! 登場! カミサマ・オールスターズ』(『新古事記伝』から改題)は「集英社みらい文庫」より発売中。

自分の好きな世界が
形になっただけで大満足
はじめまして。
今回、賞をいただいた作品について、僭越ながら少しだけスペースをお借りいたします。まず、作品を書いたきっかけについて。
それは、会社をやめて、時間ができたからです。
無職になった私は、思う存分ふとんの中で過ごし、大好きなホラー映画を見まくり、昼夜問わずビールを飲み、世の中の幸せそうな出来事に難癖をつけるという薄暗い日々を過ごしていました。
そんな生活を半年ほど続け、国民年金や健康保険料の支払い催促状もきている頃、「よし、ここらで一発頑張ろう」と、応募を決意した次第です。
早速、作品づくりにかかりました。
元々子ども向けのお話を書くことに興味があり、学生時代挑戦した経験もあったので、何年かぶりにネタフォルダをあさって、小学生が主役のお話を書くことにしました。
目指す応募先は、「集英社みらい文庫大賞」。
それからは、痔がひどくなるくらい、ずーっとパソコンにむかう毎日でした。
プロットも構成もこまかく決めないまま、好きなシーンだけ書いて場面同士をつなぎ合わせるという、むちゃくちゃなやり方をしていましたが、だんだん楽しくなってきます。
朝、目が覚めて「昨日なんか面白いもの見てた気がする。漫画? ネット?」と考えて、 「そうだ! お話書いてたんだった! 続きはどうなるんだろう?」なんて、自分が書いているというより、登場人物の言動を記録していくような感じでした。
初動が遅かったため、ギリギリで郵便局に駆け込む事態になりましたが、自分の好きな世界が形になっただけで大満足。
そして初夏、貯金が心もとなくなり働き出した私は、派遣先で、伊勢神宮と出雲大社の遷宮を知り、「おお! うれしい偶然!」と驚きました。
応募作品のネタは、たまたま古事記だったのです。
幸運にも最終選考のご連絡をいただいたのは、それから間もなくのことでした。ちなみに、派遣期間が終了したのも同時期です。
今後は、執筆と就職活動を頑張りたいと思います。
(もり・さんがつ)

受賞作『神さま、事件です! 登場! カミサマ・オールスターズ』

小学校5年生のこももは、祖父の部屋で不思議な本を見つける。それは八百万の神の連絡先を記した、神様の呼び出しを行える名簿だった。遊び心で試したが、現れたのは、金髪ピンクサングラスのどこからどう見ても神様には見えない男で……!?

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