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受賞のコトバ 2015年7月

第6回 野性時代フロンティア文学賞

広義のエンターテインメント小説を募集。恋愛、ミステリ、冒険、青春、歴史、時代、ファンタジーなど、ジャンルは不問。大賞受賞者には100万円が贈られる。

受賞者:阿川せんり

あがわ・せんり

1988年、北海道生まれ。北海道大学文学部人文科学科卒業。フリーター。好きな作家は辻村深月、漫画家は久米田康治。好きなアーティストはコンテンポラリーな生活。趣味は漫画収集。受賞作『厭世マニュアル』は8月末にKADOKAWAより刊行予定。

引きこもって初稿を完成
 中学生の頃から漠然と「作家になりたい」と思い、大学生くらいから漠然と「どこかしらの賞に応募しないとなあ」と思うようになりました。が、サークル内で色々と書きつつも、どこにも応募しない日々。そんな中、サークルの友人が文学賞を受賞。その段になってようやく「やばいぞ」と思い至り、慌てて長編小説を書いて締切の近い賞に投稿。慌てて書いたものが受賞できるものでもありませんでしたが、あの時頑張れていなかったら、一生どこの賞にも引っかからなかったと思っています。
 大学卒業後はしばらくふらふらしていました。受賞作は「書き上げるまで外に出ない」と自分の中で勝手に誓い、引きこもって初稿を完成させていました。余計な情報を入れたくなくて、一ヶ月くらい携帯の電源を切っていました。書き上げた直後は引きこもりも高じてだいぶ頭がおかしくなっており、そんな中でも「この状態で投稿してはいけない」とは理解していて、約一年後に野性時代フロンティア文学賞に応募しました。その間、小説の主人公と同じ種類のバイトを始めてみたりして、修正を重ねました。
 投稿前に仲間内で受賞作に関して意見をもらったのですが、何人かには「主人公に共感できない。これ嫌い」と、はっきり言われました。自分的には「え、絶対共感できるだろ!」と思っており、そのつもりで応募しました。はたしてこれから読者の方々からどのような反応が返ってくるのか、戦々恐々と楽しみ半分くらいで待ち構えています。
 誰かが共感できるものを書きたいです。そして、共感して、その先に何かを得られるようなものを書きたいです。そういったものを書き続けられるような作家になりたいです。
 漠然と作家になりたかった中学?大学時代ですが、今は、はっきりと、作家として生き続けていきたいと思っています。そのためには、今までのように状況に流されるだけでなく、漠然と思うだけでなく、強い意志をもって書き続けるしかないのだと、理解しています。今でもたいがいふらふらしていますが、頑張って書いて生きていこうと思います。

受賞作『厭世マニュアル』

諸々の事情により人前では常にマスクを欠かせなくなってしまった主人公・口裂け。極力人と関わらないよう生きてきた彼女であるが、偶然だったり外的圧力だったり自分への誓いだったりでトラウマに立ち向かわされることになる、のだが……。

第8回 WOWOW シナリオ大賞

2時間枠の映像化を想定したシナリオ作品を募集。テーマは自由。選考委員は崔洋一、大石哲也、渡辺千穂、野村正昭。大賞受賞者には500万円が贈られ、2015年度内に映像化を予定している。

受賞者:川崎クニハル

かわさき・くにはる

1952年、東京都生まれ。慶応義塾大学文学部卒業。映像演出会社代表。好きな作家は獅子文六、カート・ヴォネガット・ジュニア、J.K. ローリング。趣味はJazzギターと料理。受賞作の『双葉荘』は、自身の若い頃の実体験をベースに脚色を加えていった作品。

アドリブ人生が呼んだ出来事
 三十年以上、商業映像の演出を生業として来ました。商業映像…なんともざっくりとしたカテゴライズですが、実際テレビの幼児教育番組を皮切りに紀行ものやヒューマンドキュメンタリー、音楽、バラエティー、さらにはCMやPRコンテンツ等々…と、縁があるまま求められるまま、ありとあらゆるジャンルに手を染め、六十を過ぎた今でも現在進行中なのであります。
 そんな中、十年程前のこと、ふと物語を紡ぎたいという強い衝動に襲われました。とは言えそんなオーダーがおいそれとある筈もなく、仕事の合間に小説という形でこつこつ創作を始めます。読者は妻を筆頭に仕事仲間や友人たち二十名程。年に一作程の頻度で手製本の中長編の自作本を手渡し、まずは周囲に面白がって貰うことから始めました。
 もちろん、様々な出版社の公募に応募もしましたが、せいぜいのところが審査に残る程度で、かといって次作を楽しみに待ってくれている身近な御贔屓さんの存在も後押しとなり、この十年創作は淡々と続きます。
 昨年の春のこと。書き上げた一編の中編小説を読み終えた妻に突然持ちかけられました。
「ねえ、あなた映像屋なんだからさ、これシナリオにしてみたら?」
「だって、シナリオは誰かが映像化したいって言ってからの話だろ」
「シナリオにも公募があるみたいよ」
「本当(まじ)?…」という訳で初めてシナリオ大賞なるものに応募したのです。
 私の作品はどれも私小説に毛の生えたようなもので、今回の『双葉荘』も私が駆け出しの演出家だった頃に体験したちょっと不思議な出来事にそれなりの衣を盛って語り易いストーリーに仕上げた物語です。
 まさかこれで大賞を頂けるとは…思い掛けず自分の紡いだ物語が映像になるのだと思うと映像屋としての期待は膨らむばかりです。この先、この歳で私の身にどんな変化が起こるのか楽しみにしております。今のところはまだ、以前と変わらず淡々と日々の演出業をこなし、淡々と次の物語を紡ぎ続ける毎日…まさに人生はアドリブだなあ…と実感する今日この頃なのです。

受賞作『双葉荘』

港の見えるテラスハウス『双葉荘』に移り住んだ若い夫婦。そこで二人は同世代の男性の亡霊と同居することになる。深まる彼との交友の中で彼らはかつてこのテラスハウスで起きたある事件の真相を知ることとなる。

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