第37回 講談社絵本新人賞
幼児・児童を読者対象とした創作絵本作品を募集。絵と文の合作可。テーマは自由。選考委員は大島妙子、こみねゆら、中川ひろたか、宮西達也。新人賞受賞者には賞金50万円が贈られ、講談社より単行本として刊行される。
- 主催講談社 絵本新人賞事務局
受賞者:ひろただいさく・ひろたみどり
絵の担当 ひろたみどりさん
ひろただいさく 1978年、千葉県生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。好きな作家はスティーヴン・キング。映画監督はクエンティン・タランティーノ。
ひろたみどり 1977年、大阪府生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。好きなアーティストは鳥山明、エロール・ル・カイン、コーエン兄弟。今回の受賞作『ピカゴロウ』は2016年夏に刊行予定。
ひとつずつ大事に作っていきたい
子どものころ家に絵本がたくさんあったのでよく手にしていましたが、読むというよりは絵ばかりみているような子どもでした。大学を卒業してから真剣に自分でも絵を描いてみたくなって、絵本を作ってみることにしました。作品をどこに送ったらいいのか分からなかったのですが、公募ガイドで応募先があることを知ってうれしく思ったのを覚えています。私には一年にひとつ作るのが精一杯でしたので、毎年一作、絵本を作っては講談社絵本新人賞に応募していました。
二次選考に残ったかとおもえば、一次選考で落ちてしまったり、結果はあまりよくなかったのですが、絵が少しずつ上達していくことの喜びや、仕上げた時の達成感がくせになり描き続けていくことができました。けれど、結果が出ないのにこのまま続けていていいのかなという思いも、少しずつ大きくなっていきました。
ちょうどそんな頃、2、3年前になりますが、彼(ひろただいさく)が話を作ってくれることになりました。彼もずっと小説を書いていたのですが、中途半端にやる人ではないので、これは本気でやるんだなって私も覚悟ができました。一人で作っているとどうしても自分に甘くなってしまうのですが、必要な絵を求められることで、しぜんと自分の絵に対するハードルも上げられた気がします。結果的に運よく佳作をいただけて、それをまたモチベーションにして、今回新人賞をいただけるまで頑張ることができました。
私の場合、未熟なところもあって満足のいく絵を描き上げるのには、とても時間がかかってしまいます。けれどその分、作品に気持ちの込められる時間も長くいただいているのだと思っています。
受賞作の『ピカゴロウ』は、勇気や思いやりを持ってほしいという想いがつまったお話です。私には甥っ子や姪っ子がいるのですが、今たくさんの絵本をパパやママに読んでもらっています。私たちの作品も、そういう子たちのお気に入りになれたら嬉しいなと思います。 これからも、ひとつずつ大事に作っていきたいです。
(ひろた・みどり)
受賞作『ピカゴロウ』
ある日、ひなちゃんのお部屋に空からカミナリさまの子「ピカゴロウ」が落ちてきました。雲の上に帰ろうとしますが、なかなか上手くいきません――。子どもの思いやりを描いた楽しいお話。
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