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受賞のコトバ 2016年6月

第14回北区内田康夫ミステリー文学賞

ミステリーの短編小説を募集。選考委員は内田康夫ほか。大賞受賞者には賞金100万円が贈られ、受賞作は舞台化される。

受賞者:島村潤一郎

しまむら・じゅんいちろう

1965年、石川県生まれ。早稲田大学第一文学部演劇専修卒業。高校教師。趣味は海外旅行、読書、料理、小説の執筆。受賞作は『月刊ジェイ・ノベル』4月号(実業之日本社)に掲載されている。

適性を見極め、傾向と対策を知る
 適性を見極めるというのは大事だと思います。十九歳から応募を始めたんですが、とにかく情けないことに、全然駄目。最終選考にすら残らない。それで小説の勉強を一からやり直すつもりで三十代の中頃から短編を書き始めました。そうしたら「どうせ今度も駄目だろう」と思っていた第二作目がいきなり最終選考に残り、あろうことか最後の二本にまで残ることができました。それで考えたわけです。自分は短編の方に向いているのではないかと。この時の受賞者が後に日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞されたのも、自分にとってはいい刺激になりました。
 もう一つは傾向と対策。賞によって傾向はかなり違います。今回大賞をいただいた北区内田康夫ミステリー文学賞は、バラバラ殺人だとかエログロナンセンスだとかそんな作品で応募を続けていても絶対駄目だったと思います。密室殺人だとかそういった作品は本格テイストの強い賞に応募し、北区の方はハートウォーミング系の作品を投じてきました。それからこちらの方は翌年舞台化されることがわかっているので、舞台化になじむ作品を意識してきました。
 さらに言うならば、コメントをもらえるところにまで到達するというのも大事だと思います。北区は一次選考通過でもうコメントをもらえるのですが、「そうだよなぁ」と書き手自身が内心思っていたところがやはりつつかれる。でもそれで作品を微調整できるようになるわけです。応募していきなり受賞などと虫のいいことを若い頃は夢想していましたが、そんなのは一部の限られた人だけだと割りきりましょう。コメントをもらえるところまで行くのに私は十五年ほどかかりました。そこまで行くのに何が必要か。ある一定のレベルの作品をある程度コンスタントに書けるようにならねばなりません。最初は玉石混淆でもいいと思います。まず書くことです。それではそのためには何が必要か。とにかくいろんなジャンルの本をできるだけたくさん読むことです。月並みな結論になりましたが、今までの読書経験が自分の血と肉になっているというのは揺り動かしようのない実感として自分の中にあります。

受賞作『小さな木の実』

父が急死した。しかし銀行の口座にはほとんど金は残されていなかった。金はどこへ行ったのか。不思議な謎かけのようなものが発見され、主人公は二人の息子と遺産捜しを始めるのだが……。

第33回福島正実記念SF童話賞

小学校3・4年生から読めて高学年でも楽しめる童話を募集。選考委員は南山宏、石崎洋司、後藤みわこ、廣田衣世ほか。大賞受賞者には賞金20万円が贈られる。

受賞者:辻 貴司

つじ・たかし

1977年神奈川県生まれ、京都府育ち。神奈川大学外国語学部卒業。会社員。好きな作家は、那須正幹や藤子不二雄のような子どもの目線で作品を書く人。受賞作は8月に岩崎書店より刊行予定。

賞をしぼり、作品の完成度を高める
 平日は、会社員をしています。昼休みに作品を書いたり、通勤の電車で校正をしたり。といってもコツコツ派ではなく、気持ちが乗ったときに、一気に書くことが多いです。
 福島正実記念SF童話賞をめざすきっかけは、二年ほど前。児童文学者協会主催の創作教室に通っていたときに、講師の先生から言われた、「辻さんは、SF童話賞をめざせ!」というひと言です。講師の先生は、ぼくの作品が小学校の中学年向けであり、児童文学っぽくない文体も、SF童話賞に合っている、と見抜いてらっしゃったようです。
 すると、昨年。多くの方の意見やアドバイスを受け、くり返し書き直した『ぞくぞくじゃんけん』という作品が最終選考に残りました。
 単行本デビューを目的とした新人賞は数多くありますが、デビューするには、どれかひとつで大賞をとればいい。
 そこで、複数の新人賞に応募するのではなく、ひとつの作品の完成度を高めようと、福島正実記念SF童話賞にしぼることにしました。
 ある先輩の作家さんから、「一次選考を通った賞は、相性がいい証拠だから、続けて応募するといいよ」と言われたことも大きかったです。
 そうして、ほぼ一年かけて作品を仕上げました。冒頭、透明な犬に追いかけられるシーンは初稿と変わりませんが、あとの部分はだいたい変わりました。ラストもです。
 ぼくは合評会で出会った人たちや家族から、たくさん意見や感想をもらい、わりと素直に聞くタイプ。そうやって得た、いろいろな人の視点、感想が、お話に生きています。
 岩崎書店のホームページに選評が載っていますが、ぼくの『透明犬メイ』と、佳作に選ばれた作品とは、同点だったそうです。最終的に賞を分けたのは、「完成度」とのこと。
 この賞にしぼり、締め切りぎりぎりまで粘って、推敲を重ねたことが成功したのだと思います。
 順調にいけば、八月には本屋さんに並ぶそうです。子どもたちに受け入れられるかどうか、楽しみです。

受賞作『透明犬メイ』

ある朝、小学校へ向かう田んぼ道で、奏太は、なぜか自分にとてもよくなつく透明な犬と出会う。学校にまで付いてきて騒ぎを引き起こし、奏太を困らせる透明犬。しかし、奏太は「メイ」と名づけて心を通わせていく。メイが奏太になついていた理由とは? メイの正体は?

第9回wowwowシナリオ大賞

2時間枠の映像化を想定したシナリオ作品を募集。テーマは自由。選考委員は崔洋一ほか。大賞受賞者には賞金500万円が贈られ、受賞作は映像化される。

受賞者:小山ゴロ

こやま・ごろ

1966年、岩手県生まれ。主婦。好きな作家は脚本家の宮内婦貴子、漫画家の山下和美。過去に、第3回シナリオS1グランプリ佳作、コミック雑誌『さくら 愛の物語』原作募集佳作、第9回テレビ朝日21世紀新人シナリオ大賞大賞を受賞。受賞作は今年度内にドラマ化される。

ふたたび……
 数年前に、公募ガイドさんの「賞と顔」のコーナーに載せて頂いたことがあります。まさか二度も登場できるなんて、少し複雑な気持ちも交えながら、嬉しく思っております。
 今年に入り、昨年応募したWOWWOWシナリオ大賞の最終選考に残っていると連絡を受け、一瞬、何かの間違いだと本気で思いました(すっかり落選する事に馴れてしまったからでしょうか)。でも、ネットで自分の作品のタイトルと名前を確認し、間違いではないと知ると、もう、何とも言えないくらい心が躍りました。その時の気持ちは、初めてコンクールで一次を通過した時、最終選考で自分の名前を見つけた時、受賞の電話を頂いた時……その瞬間、感覚を思い出し、泣きたいほど嬉しかったです。久しぶりの良い知らせだったので、たとえ賞を貰えなくても最終選考に残っただけで、これから暫くは気力を保って書く事ができる……それだけで十分だと思いました。しかし、映像化の事を思うと、やっぱり大賞が欲しい。そんなチャンスは容易くやってくるものではありません。そうなると、もう毎日ずっと祈るのみでした。そして、祈りは届きました。
 思えばコンクールに挑戦し始めたのが三十半ばくらいで、ちょっと始めたのが遅かったんです。でも、年齢の事は気にせず、ただ自分の書いた作品がテレビやスクリーンに映し出される事だけを目標にしてきました。なので、数年前に初めて自分の作品が映像化された時、書いていてよかった……と心の底から思いました。そしてまた、有難い事にその瞬間がやってきます。
 作品を読んで下さった選考委員の方々、今回の受賞を自分の事の様に喜んでくれた友人、いつも甘えた事を言って、書く事をサボる私の背中を押してくれる家族、そして今回の作品を書いている間、ずっと見守ってくれた愛犬……全ての方に、感謝
の気持ちでいっぱいです。
 書く時はひとりですが、色々な人に支えられて書けているのだと思っています。これからも力を合わせて作品を創り上げていきたいです。
 そして限られた時間の中で、沢山の方に観て頂ける様な作品を心を込めて書き続けたいと思っています。

受賞作『稲垣家の喪主』

宙太はあがり症が悩みの小学2年生。大好きなジイジの葬儀の日、父・幸太郎が極度に緊張し喪主の挨拶をする姿を見て、自分のあがり症は遺伝だと確信する。宙太が喪主の挨拶をする日はまだずっと先の話だが、稲垣家には男運がないアラフォーの伯母・杏子と売れない漫画家の叔父・脩二がいる。このままだと将来、両親以外に伯母と叔父の喪主も務める事になる……そう思うと不安になる宙太は、2人に早く結婚してもらおうと奮闘する。

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