公募ガイド

  • お問い合わせ 03-5312-1600
  • お問い合わせ 03-5312-1600
TOPページ > 公募のための著作権Q&A > 2008年 > 翻案物の原作者の権利(2008年1月号)

公募ガイド

翻案物の原作者の権利(2008年1月号)

公募ガイド

公募ガイド誌上で1998年4月号から2014年3月号に渡って連載された、「公募のための著作権Q&A」を再掲載します。

毎週火曜日にバックナンバーを更新していきます。

 

講師:吉田大輔(放送大学客員教授)

チャップリン映画の著作権

翻案物を利用する場合、注意すべきことはなんですか?

 

翻案物の著作者だけではなく、その原作者の権利にも注意が必要です

 

翻訳作品、編曲作品、小説を基にした演劇用台本などの二次的著作物については、原則どおり二次的著作物の著作者である翻訳家、編曲家、脚本家などがそれぞれの作品について著作権法21条以下に規定された著作権を保有します。なお、脚本を基にした映画作品については、法人の職員が職務上映画製作を行った場合には、当該法人が映画の著作者として著作権を保有するほか、映画製作者が外部の映画監督等を起用して製作させた場合には、映画の著作者は映画監督等であるとしても、映画の著作権は映画製作者に帰属するとされています(29条1項)。


一方、著作権法は、二次的著作物が原著作物(原作)の創作性に依拠しながら行われた創作であることから、原著作物の著作者(原作者)も二次的著作物の利用に関与できる地位を与えています。28条では、二次的著作物の原著作物の著作者は、当該二次的著作物の利用に関し、当該二次的著作物の著作者が有するものと同一の種類の権利を保有する旨を規定しています。したがって、原作者も二次的著作物の著作者と並んで複製権以下の権利を保有することとなるのです。


例えば、翻訳作品の利用に当たっては翻訳家だけではなく、原作者の許諾も必要となりますし、編曲作品の場合には編曲家だけではなく原作曲家の権利、また、映画の場合には映画製作者などの映画の著作権者だけではなく脚本家等の権利にも注意が必要となります。仮に無断で二次的著作物を無断で利用した場合には、二次的著作物の著作者の著作権だけではなく、原作者の著作権も侵害することを意味します。「引用」という利用方法についても、正当な引用に該当しない場合には、二次的著作物の著作者と原作者の両方の権利を侵害することとなるのです。


ただし、原作者の権利は原作の保護期間内に限りますから、例えば、二次的著作物の著作権が保護期間内で存続していても、原作の著作権が原作者の死後50年を経過して消滅している場合には、二次的著作物の利用にあたって原作者の許諾を得る必要はありません。

 

※この記事は、「月刊公募ガイド」2008年1月号で掲載されたものです。法改正などにより、当時と状況が変わっている場合があります。

PAGE TOP

PAGE TOP