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チャップリン映画の著作権(2008年2月号)

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公募ガイド誌上で1998年4月号から2014年3月号に渡って連載された、「公募のための著作権Q&A」を再掲載します。

毎週火曜日にバックナンバーを更新していきます。

 

講師:吉田大輔(放送大学客員教授)

チャップリン映画の著作権

チャップリン映画の著作権はまだ存続期間しているのでしょうか?

 

チャップリン映画については現在も存続していると判断した判例があります。

 

現行著作権法では、映画は、その公表後70年が経過するまで著作権によって保護されます。ところが、このように映画の公表時から保護期間を起算する仕組みは1970年制定の現行法で採用されたもので、その前の旧著作権法では取扱いが異なっていました。旧法では、独創性のある映画(劇映画など)と独創性のない映画(ニュース映画など)に分けて、前者の場合には他の著作物と同じ保護期間(例えば、個人の著作名義の場合には著作者の死後38年まで)とし、後者の場合には写真と同じ保護期間(発行後13年まで)としていました。これを現行法の仕組みに切り替える際に、旧法による保護期間が現行法による保護期間よりも長くなる場合には、期待利益を保護するために、旧法による保護期間を優先して適用すると定めています。1970年までの映画については旧法との関係を注意する必要があるわけです。

無断DVDに関してチャップリン映画の保護期間が争われた事件で、東京地裁平成19年8月29日判決は、旧法による保護期間を適用すべきとの判断を下しました。旧法下の9本の作品について、いずれも独創性があり、映画の著作者はチャップリンという個人名義のものであるから、チャップリンが死亡した1977年から死後38年を加算して2015年までが旧法による保護期間となるとして、1940年の「独裁者」までの作品は、旧法による保護期間が公表後70年よりも長いのでそれによるべきとし、1947年の「殺人狂時代」と1952年の「ライムライト」は公表後70年のほう(それぞれ2017年と2022年まで)が旧法の保護期間よりも長いのでそれによるべきとしました。

旧法下における映画では、黒澤明監督作品(1943年の「姿三四郎」から1952年の「生きる」までの10作品)を巡って、東京地裁平成19年9月14日判決も同様の判断を行い、これらの映画は少なくとも2036年まで(黒澤監督は1998年死亡)保護されるとしています。

 

※この記事は、「月刊公募ガイド」2008年2月号で掲載されたものです。法改正などにより、当時と状況が変わっている場合があります。

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