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文芸作品の引用(2008年4月号)

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公募ガイド誌上で1998年4月号から2014年3月号に渡って連載された、「公募のための著作権Q&A」を再掲載します。

毎週火曜日にバックナンバーを更新していきます。

 

講師:吉田大輔(放送大学客員教授)

文芸作品の引用

文芸作品を引用する場合、どのような点に注意が必要ですか?

 

「主従関係」や「明瞭区別性」などへの注意が必要です。

 

引用とは、一般的に、他人の著作物の一部分を抜粋して自分の著作物の中に取り込んで利用することをいい、著作権法32条1項では、①公表された著作物を用いること②公正な慣行に合致すること③報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内であることという要件を満たす引用については著作権侵害に当たらないとしています。

 

一般に、この解釈として、全体の中で引用した側の著作物が「主」であり、引用された側の著作物が「従」であるという「主従関係」や、引用された著作物が明確に区別されるような「明瞭区別性」が認められることが必要と解されています。今回は、平成19年7月3日に日本文藝家協会が公表した「文藝的著作物の引用についての見解」(詳細は同協会のHP。確立した法律解釈とは言えませんが、考え方として参考になります。)の中から、文芸作品の引用にあたっての注意点をいくつか見てみましょう。


第1に、日記、書簡、不満な草稿等の未公表の著作物の引用は許されないとしています。

第2に、「公正な慣行」に当たる引用の具体例として、①報道の材料として引用する場合、②自分の学説の展開に当たり自説の裏付けや補強として引用する場合、③他人の学説や考え方の論評のために引用する場合、④小説の中で時代状況を説明・把握させるために他人の詩歌等を引用する場合を挙げています。

第3に、「正当な範囲内」について「研究、評論、評伝、伝記の類では、著者の見解を説明するために必要であれば、引用の長さに制限はない」としています(ただし、主従関係の範囲内で)。

第4に、引用の際の出所の明示については、引用された「作品名」と「著作者名」が必要としていますが、短歌・俳句の場合、著作者名については、本名以外の雅号・俳号等だけでは特定できない場合も少なくないので、筆名のフルネームを記載することが望ましいことや、収録書名の省略は認められるとしています。また、小説・評論等の場合には、作品名があれば「全集」「短編集」「アンソロジー」名を省略することもできるとしていますので、参考にしてください。

 

※この記事は、「月刊公募ガイド」2008年4月号で掲載されたものです。法改正などにより、当時と状況が変わっている場合があります。

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