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短歌や俳句の引用(2008年5月号)

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公募ガイド誌上で1998年4月号から2014年3月号に渡って連載された、「公募のための著作権Q&A」を再掲載します。

毎週火曜日にバックナンバーを更新していきます。

 

講師:吉田大輔(放送大学客員教授)

短歌や俳句の引用

短歌や俳句を引用する場合、どのような点に注意が必要ですか?

 

短歌や俳句の引用に関するこれまでの慣行に注意してください。

 

前回に引き続いて、日本文藝家協会が公表した「文藝的著作物の引用についての見解」(http://www.bungeika.or.jp/inyoukenkai.pdf)を基にして、短歌や俳句などの短詩型作品の引用にあたっての注意点を見てみましょう。この見解では、短歌や俳句の場合には、普通の散文作品とは違った慣行が伝統的に確立しているとして、次のような取扱いが許されるとしています。


第1に、短歌・俳句の場合には、例えば、俳句歳時記に多数の作者(特定の作者のみの場合は除く)の作品を収録する場合。第2に、国語辞典等で語句解説のための用例・文例として、散文作品の一部、短歌・俳句が収録される場合。また、そのような場合には、著作者名があれば出典の省略も許容されること。第3に、短詩型の作品はその全部が引用されることがあることを前提に、正当な引用が成立する条件としての「主従関係」については、例えば、新聞のコラムの冒頭や末尾に俳句を引用する場合は、「文章と引用された句との関連性」と「その句を本文中に組み込んだ文章とした場合にも同じ趣旨になるかどうか」が基準となることを挙げています。

 

また、コラム形式で冒頭に短歌・俳句を掲出し、それに比較的短い鑑賞や批評を付す場合にも、「批評・鑑賞の意が明確な場合」は許容されるとしています。第4に、著名な短歌・俳句を冒頭に掲出し、その鑑賞や批評を記述した名歌・名句鑑賞については、「その歌や句の背景となった時代における作者の生活や心境を説明したり、作品或いは作者の姿勢に対する批判を誌した場合」も、第3のケースと同様に、本文中に取り込まれていても、その趣旨・論評に変わりがないのであれば適用な引用と考えられるとしています。

 

しかし、一つの歌集・句集から多くの短歌・俳句を抽出し、作品の詠まれた年代や収録された歌集・句集名を付した程度では適法な引用ではなく、また、グラフ誌などで短歌・俳句と同じページに短歌・俳句の詠まれた場所の写真を掲載し、短歌・俳句とは直接関係のない地誌的な説明を加えたものは正当なな引用とは言えないとしていますので、注意してください。

 

※この記事は、「月刊公募ガイド」2008年5月号で掲載されたものです。法改正などにより、当時と状況が変わっている場合があります。

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