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パズルの著作権(2008年7月号)

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公募ガイド誌上で1998年4月号から2014年3月号に渡って連載された、「公募のための著作権Q&A」を再掲載します。

毎週火曜日にバックナンバーを更新していきます。

 

講師:吉田大輔(放送大学客員教授)

パズルの著作権

パズル問題にも著作権があるのでしょうか?

 

パズル問題の表現の仕方に創作性があれば著作権が認められます

 

著作物とは思想又は感情の創作的表現であると言われますが、表現の根底にある思想、感情、アイデアそのものは著作権では保護していません。また、事実や事件そのものも保護していません。これらのものを特定の著作者に独占させることは、新たな創作を萎縮させて文化の発展を阻害することになるからです。一方、アイデアなどを活かして具体的に表現された文章、美術、音楽、映像など、著作者の個性が反映されたものは著作物として著作権という独占権を与え、法的に保護しています。


このような「アイデア」と「表現」の境界線上にあるのが「パズル」です。これらの作品ではアイデアが大事ですが、アイデアが同一又は類似していても、問題としての表現方法には複数の選択肢がある場合もあります。そのようなケースでは著作権が成立する余地があります。


類似するパズルを掲載したことが先行するパズルの著作権を侵害するかどうかが争われた事件で、東京地裁平成20年1月31日判決では、①糸の両端を引っ張ったときに結び目ができるか否かを選ばせるパズルについて、糸の形状それ自体はアイデアで保護すべきではないが、結び目のできる糸の形状と結び目のできない糸の形状が多数ある中から何を選択(組合せ)して特定のパズルを表現するかという点に編集著作物性があると認め、類似するパズルはこれに依拠したもので著作権侵害にあたると判断しました。

 

また、②日没直前の写真から影をヒントに方角を問うパズルについては、写真やパズルの解答の表現が類似していること、さらに③2つの天秤に載せた3種類の缶のうち最も軽いものを問うパズルについても、天秤などをビジュアル化したイラストが類似していることから、著作権侵害にあたると判断しています。

 

パズルはアイデアのほうが注目されがちですが、問題の作成にあたっ解答、写真、イラスト、あるいは設問の組合せなどの面では作成者の個性的表現が可能で、著作権が成立する余地があることをこの判決は示しています。結局、利用しているものがアイデアなのか表現なのかに帰着するわけです。

※この記事は、「月刊公募ガイド」2008年7月号で掲載されたものです。法改正などにより、当時と状況が変わっている場合があります。

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