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保護される外国の著作物の範囲(2008年8月号)

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公募ガイド誌上で1998年4月号から2014年3月号に渡って連載された、「公募のための著作権Q&A」を再掲載します。

毎週火曜日にバックナンバーを更新していきます。

 

講師:吉田大輔(放送大学客員教授)

保護される外国の著作物の範囲

外国の著作物で日本で保護されるものの範囲はどこまでですか?

 

ベルヌ条約などを通じてほとんどの国の著作物は保護されます

 

外国人の著作権を国家間で相互に保護し合うためにいくつかの条約があります。代表的なベルヌ条約は19世紀以来の歴史を有し、世界163カ国(2007年12月現在)が締結しています(日本は1899年に締結)。ベルヌ条約で保護される著作物とは、①条約締約国の国民(その国籍を有しないが締約国に常居所を有する者を含む)の著作物(国籍の基準)、②締約国の国民ではないが、締約国で最初に発行(非締約国で最初に発行された日から30日以内に締約国で発行された場合を含む)された著作物(発行地の基準)に大別されます。前記のように世界の大多数の国がベルヌ条約締約国ですから、ほとんどの外国の著作物は、日本でも保護される著作物となるわけです。


ただし、例外としては日本が国家として承認していない国の著作物があります。北朝鮮の映画が日本で保護されるかが焦点となった事件で、東京地裁平成19年12月14日判決は、北朝鮮がベルヌ条約に加入(2003年)していたとしても、国家として承認していない国の著作物については日本に条約上の保護義務は生じないとする判断を下しました。


一方、台湾の著作物については、WTO協定上、台湾は独立した「地域」として協定に参加が認められており、その場合、WTO協定に附属したTRIPS協定によって著作権を保護し合う関係が生じますから、台湾を国家として承認していない日本と台湾の間でもお互いにその著作物を保護する義務が生じることとなります。これに対して、北朝鮮の場合にはWTO協定には参加していないので、保護関係は生じません。


さて、外国の著作者に対しては、「内国民待遇」といって、自国民と同じ内容の保護を与えることが原則です。外国の著作者にも日本の著作者と同じ権利を与えられますし、権利制限によって著作物を自由利用できる場合についても、外国の著作者の権利も日本の著作者と同じ取扱いを受けます。外国の著作物の利用にあたっても、日本の著作物と同様に考えて、利用の可否などを考えていくことになります。

 

※この記事は、「月刊公募ガイド」2008年8月号で掲載されたものです。法改正などにより、当時と状況が変わっている場合があります。

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