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人形作品の写真の著作権(2008年9月号)

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公募ガイド誌上で1998年4月号から2014年3月号に渡って連載された、「公募のための著作権Q&A」を再掲載します。

毎週火曜日にバックナンバーを更新していきます。

 

講師:吉田大輔(放送大学客員教授)

人形作品の写真の著作権

人形作品を撮影した写真の著作権はだれのものでしょうか?

 

一般的には写真家が著作権を持つことになります

 

彫刻作品や建築物はそれ自体が著作物として保護されることがありますが、それらを被写体として撮影された写真は、彫刻作品などの被写体とは別の著作物であり、写真家が写真の著作者となります。例えば、彫刻作品を撮影した写真を利用する場合には、被写体の彫刻作品の利用だけではなく、写真の著作物の利用も同時に行われることになりますので、彫刻作品の著作権者に加えて写真の著作権者の許諾も要するのが原則です。なお、公園等の公開の場所に置かれた彫刻作品や建築物の場合については、写真撮影等による自由利用が広く認められる場合があります。この場合には写真家の著作権だけに注意すればよいことになります。


さて、人形作品が著作物として保護されるかどうかについては、作品自体の創作性の程度、あるいは一品製作的なものと大量生産的なものなどの要素を考慮して判断することになりますが、それ自体が著作物として保護される場合もあると考えられます。レザークラフトの手法で制作された人形作品を撮影した写真集について、人形作品の制作者が写真集についても自分が著作権者であるとして写真集の著作権者を訴えた事件で、横浜地裁平成19年1月31日判決では、各人形の写真は写真家が「照明、構図、カメラアングル、背景等」を選択、調整する等の工夫を施しながら撮影したものであり、写真としての創作性があること、また、写真集についても「写真の選択、配置、レイアウト等」に種々の工夫が加えられており編集物としての創作性があるとしましたが、これらの写真や写真集の作成に人形制作者が創作的に関与した事実はないとして、人形制作者が自分が著作権者であるのと主張をしりぞけました。この事件は控訴されましたが、知財高裁平成19年7月25日判決でも横浜地裁の判断を支持しました。


一方、絵画を撮影した写真には一般的に創作性がなく、写真自体には著作権は生じないとされています。絵画を忠実に撮影したものは単なる複製(コピー)で創作性がないと解されているからです。

 

※この記事は、「月刊公募ガイド」2008年9月号で掲載されたものです。法改正などにより、当時と状況が変わっている場合があります。

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