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日めくりカレンダーの著作権(2009年1月号)

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公募ガイド誌上で1998年4月号から2014年3月号に渡って連載された、「公募のための著作権Q&A」を再掲載します。

毎週火曜日にバックナンバーを更新していきます。

 

講師:吉田大輔(放送大学客員教授)

日めくりカレンダーの著作権

日めくりカレンダーにも著作権がありますか?

 

編集著作物になるなら、著作物として認められることがあります

 

著作物の中には「編集著作物」という類型があります。典型的な例は新聞や雑誌です。新聞には様々な記事や、写真や図表、イラスト、各種データなど多種多様な素材が掲載されていますが、新聞の編集に当たっては、新聞社の編集方針や判断に基づいて、掲載すべき記事などの選択が行われ、また、記事などのジャンルや重要度に応じて一面から最終面まで素材の配列が行われます。

 

編集著作物を構成する素材には記事などのようにそれ自体が著作物の場合もあり、また、株式市況のような数値データでそれ自体は著作物でない場合もありますが、素材の選択又は配列(どちらか一方でもよい)に創作性があれば、個々の素材とは別個に、編集物を編集著作物として著作権によって保護しています。編集著作物の著作権と、素材となった著作物(新聞における個々の記事や写真など)の著作権は、別のものであり、利用方法によって両者の著作権が同時に働く場合もあれば、素材の著作権だけが働く場合もあります。


写真家が花の写真365枚をもって1日1枚で1年分とする日めくりカレンダー用デジタル写真集を作成し、携帯電話待受画面用画像として提供したものの、配信事業者は毎日更新(日めくり)することなく、週1回程度の更新としたことを巡って、写真集という編集著作物の無断改変に当たると写真家が主張した事件で、知財高裁平成20年6月23日判決では、①日めくりカレンダー用写真集については、季節・年中行事・花言葉等に照らして写真という素材を選択・配列したものであって、編集著作物性が認められるとしました。

 

しかし、②同一性保持権侵害(改変)に当たるかどうかについては、公衆送信の方法により編集物の一部(1回1枚)を使用しているものであり、その写真自体には変更を加えていないことから、著作権法20条1項の「変更、切除その他の改変」には該当せず、同一性保持権を侵害していないとしました。裁判所は、配信事業者による利用行為は、素材である個々の写真の利用にとどまり、編集物としての写真集の利用に至っていないと判断したのです。

 

※この記事は、「月刊公募ガイド」2009年1月号で掲載されたものです。法改正などにより、当時と状況が変わっている場合があります。

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