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裁判傍聴記の著作権とブログ(2009年2月号)

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公募ガイド誌上で1998年4月号から2014年3月号に渡って連載された、「公募のための著作権Q&A」を再掲載します。

毎週火曜日にバックナンバーを更新していきます。

 

講師:吉田大輔(放送大学客員教授)

裁判傍聴記の著作権とブログ

毎日ブログを発信しています。ブログにも著作権がありますか?

 

ブログも著作物に該当すれば、著作権で保護されます

 

最近、ブログで自分の意見や感じたことを発信する人たちが増えてきました。人気のあるブログも続々と生まれているようで、従来のメディアにはない情報発信手段として広く活用されているのがうかがえます。


ブログに著作権があるかどうかは、著作物一般と同様に考えます。つまり、著作物とは人の思想又は感情を創作的に表現したものであり、ブログもこの著作物に該当するなら、著作権によって保護されることになります。日記や随筆と同じように考えればよいのです。しかし、作り手の創意工夫がなく、事実をそのまま伝える文章などは「事実の伝達にすぎない雑報及び時事の報道」として著作物に該当しないとされています(著作権法10条2項)。結局、創作性の有無が決め手となるわけです。


さて、今回紹介する事件は、ブログ自体の著作物性ではなく、ブログで他人の文章を使用したことが著作権侵害に当たるか否かが争われた事件です。刑事裁判における証人尋問を傍聴した結果をまとめた傍聴記をインターネット上で公開したら、その傍聴記がブログで無断使用されたケースで、傍聴記作成者がプロバイダーに対して発信者情報の開示とブログ記事の削除を求めた裁判です。

 

知財高裁平成20年7月17日判決では、「言語表現による記述等の場合、ごく短いものであったり、表現形式に制約があるため、他の表現が想定できない場合や、表現が平凡かつありふれたものである場合」には、記述者の個性が現れず、創作性が認められないこと、また、事実を格別の評価、意見を入れることなく、そのまま叙述する場合には「思想又は感情」の表現にも当たらないとの見解を示した上で、例えば「ライブドアの平成16(2004)年9月期の最初の予算である」などの証言内容を短く記述した文章や、証人の経歴について「大学卒業後、未来証券に新卒入社」などと記述した部分についても、聴取したとおり記述したか、要約してもありふれた方法で記述したものであるなど、創作性を認められないとして、傍聴記の著作物性を否定し、著作権侵害には当たらないとの判断を示しました。

 

※この記事は、「月刊公募ガイド」2009年2月号で掲載されたものです。法改正などにより、当時と状況が変わっている場合があります。

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