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占いの方法の著作権(2009年3月号)

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公募ガイド誌上で1998年4月号から2014年3月号に渡って連載された、「公募のための著作権Q&A」を再掲載します。

毎週火曜日にバックナンバーを更新していきます。

 

講師:吉田大輔(放送大学客員教授)

占いの方法の著作権

占いの方法にも著作権はあるのでしょうか?

 

占いの方法はアイデアに属するもので、著作権では保護されません

 

著作権制度は、表現を保護するもので、アイデアは保護しないという大原則があります。ノーベル賞の対象となるような優れた学術理論であっても、また、斬新な料理方法であっても、アイデアそのものには著作権による保護は与えられません(産業上有用な技術的思想=アイデアに対する特許権による保護はありえますが)。最高裁平成13年6月28日判決は、アイデア、事実、事件など表現それ自体でない部分や表現上の創作性がない部分において同一性を有するにすぎない場合には著作権侵害に当たらないと述べて、この原則を再確認しています。


さて、「数霊占術」という占いの方法を記載した書籍の著者が、同じ占いの方法について解説した他人の書籍2件を自分の著作権を侵害しているとして訴えた事件がありました。東京地裁平成20年6月11日判決は、平成13年の最高裁判決の考え方に立って、まず、原告が侵害に当たると指摘した「命数」や「破壊数」などの概念が同一であることについては、「アイデア」における同一であるにすぎないとして著作権侵害を否定しています。ただし、アイデアは保護されないとしても、その表現方法によっては著作権による保護があり得ます。以前紹介した「パズルの著作権」に関する事件では、パズルのアイデア部分とは別に、パズル問題の解答や写真、イラスト、設問の組合せという表現部分に着目して、著作権侵害が認められました(東京地裁平成20年1月31日判決)。

 

今回の占い本のケースでも、裁判所は、「数霊簡易暦」や「破壊数一覧表」などの表や、マス目型の「数霊盤」などの表現の同一性について検討しています。しかし、表については、同じ占いの方法を取れば表現として同一になるのは当然で、結局「アイデア」が同一であるにすぎないことや「ありふれた表現」であること、「数霊盤」については、特定の思想を表現するために他に様々な表現方法があるとは認められない場合であることを理由に、表現上の創作性のない部分において同一であるにすぎないとして、この面でも著作権侵害を否定しています。

※この記事は、「月刊公募ガイド」2009年3月号で掲載されたものです。法改正などにより、当時と状況が変わっている場合があります。

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