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アニメ・キャラクターの著作権(2009年4月号)

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公募ガイド誌上で1998年4月号から2014年3月号に渡って連載された、「公募のための著作権Q&A」を再掲載します。

毎週火曜日にバックナンバーを更新していきます。

 

講師:吉田大輔(放送大学客員教授)

アニメ・キャラクターの著作権

教材ビデオのアニメ・キャラクターにも著作権がありますか?

 

アニメ・キャラクターにも著作権があります

 

アニメやマンガのキャラクターはアニメ映画やマンガの一部として創作されるものですが、アニメやマンガとは独立して、様々なおもちゃや商品のデザインなどとして利用される場合が多々あります。このような利用に対して、アニメやマンガの著作権者は著作権を行使することができ、実務の世界ではこの権利を「商品化権」と呼ぶこともあります。


キャラクターの著作権を確立した先例と言われるのが「サザエさん」事件です。マンガ「サザエさん」のキャラクターであるサザエさん、カツオ、ワカメを観光バスの車体に描いて営業していたケースで、東京地裁昭和51年5月26日判決は、観光バス会社の著作権侵害責任を認めました。特にこの判決では、連載マンガの登場人物として恒久的に与えられた容ぼうや姿態などの表現について、個別の利用形態がマンガの特定のコマの表現と同一でない場合であっても、その登場人物と認められれば著作権の対象となることまで踏み込んで明示した点が重要です。


さて、別々の幼児向け教育ビデオ・DVDに登場する「博士」のキャラクターの類似から著作権侵害の有無が問題となった事件があります。東京地裁平成20年7月4日判決では、まず原告の「博士」キャラクターの著作物性について、「角帽を被り、丸い鼻から髭を生やし、比較的ふくよかな体型の年配の男性」という点では類例が多くあるが、角帽、鼻、髭、体型等の描き方、色づかいやタッチなどの点で個性的な表現であるとして、著作物にあたることを認めました。

 

しかし、被告側の「博士」キャラクターとの比較では、共通点を認めながらも、①全体の質感と輝き、顔や全身の縦横の比率、②耳の有無、鼻の形、瞳の色、眉の形と色、髭の色、③角帽の被り方、蝶ネクタイの有無、ガウンのデザインなどの相違があり、著作権侵害に当たらないと判断しました。この事件の博士はありふれた「博士」のイメージに沿ったものだったので、細部の表現に立ち入っての判断となりましたが、仮に「サザエさん」や「ドラえもん」が博士になっていれば、結論は全く異なっていたでしょう。

 

※この記事は、「月刊公募ガイド」2009年4月号で掲載されたものです。法改正などにより、当時と状況が変わっている場合があります。

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