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著作者人格権の管理(2009年7月号)

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公募ガイド誌上で1998年4月号から2014年3月号に渡って連載された、「公募のための著作権Q&A」を再掲載します。

毎週火曜日にバックナンバーを更新していきます。

 

講師:吉田大輔(放送大学客員教授)

著作者人格権の管理

著作者人格権の行使を他人に委任できますか?

 

著作者人格権は著作者による行使が基本で、他人に委任できません

 

著作者の権利には、その財産的利益を保護する「著作権」と、その人格的利益を保護する「著作者人格権」の2種類があります。著作者人格権には、公表権、氏名表示権、同一性保持権の3種類の権利があります。


公表権は、未公表の著作物について公表するかどうかや、何時、どのような形態で公表するかなどを著作者が決定できる権利です。


氏名表示権は、著作物に著作者名をどのように表示するかを決定できる権利です。実名(本名)を表示するのか、ペンネームなどの変名で表示するのか、あるいは著作者名を表示しない(無名、匿名)のか、いずれで表示するかは、著作者側の意思で決定することができます。


同一性保持権は、著作者の意思に反して、その著作物の題号(タイトル)や著作物が勝手に改変されることを防止できる権利です。


これらの著作者人格権は、著作物を創作した著作者に固有の権利で、他人に権利を譲渡することはできません。作品公募に応募して、入選などとなった場合、その作品の著作権(財産権)は主催者に帰属するという取扱になっていることがあります。しかし、この場合においても、著作者人格権は、著作者自身に留保されていますから、主催者側の利用に対して著作者人格権の見地から著作者が権利行使することが可能です。


例えば、著作者名の表示について、主催者が勝手にペンネーム表示を実名表示に変えたり、著作者名の表示を行わなかったりした場合には、氏名表示権に基づいて、著作者が望む方法で氏名表示を行うことを要求できます。また、主催者が作品の発表に際して、作品の一部を切除したり、改変したりする場合も、無断で行えば同一性保持権侵害となるおそれがありますから、事前に著作者の同意を得なければなりません。


著作者人格権は、著作者の分身ともいえる著作物について、著作者の人格的利益を保護するための権利ですから、その性質上、他人に権利行使を委任することはなじまないものです。著作者自身が主体的に判断して、適切に権利行使しなければなりません。

 

※この記事は、「月刊公募ガイド」2009年7月号で掲載されたものです。法改正などにより、当時と状況が変わっている場合があります。

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