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出版権設定契約(2009年9月号)

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公募ガイド誌上で1998年4月号から2014年3月号に渡って連載された、「公募のための著作権Q&A」を再掲載します。

毎週火曜日にバックナンバーを更新していきます。

 

講師:吉田大輔(放送大学客員教授)

出版権設定契約

出版権設定契約とは何ですか?

 

出版者に出版に関する独占的な権利を与える契約です

 

書籍等の発行に際して、出版者(社)から著作者へ「出版権設定契約」と呼ばれる契約を締結して欲しいとの申し出がある場合があります。


出版権は、出版者が有する著作権法上の権利で、著作物の出版について独占的な地位を出版者に与える制度です。ただし、著作権は、創作の事実に基づいて著作者が自動的に取得するのに対して、出版権は、出版者と著作権者との出版権設定契約によって初めて認められる権利で、出版の事実に基づき出版者が自動的に取得するものではありません。


出版権は、著作物を頒布目的で文書などの印刷物として複製することを対象としていますから、文芸、美術、写真などの分野で利用されます。音や映像などの複製(録音・録画など)は出版権の対象となりません。


出版権が設定されると、その範囲内で著作者の著作権は制限を受けます。例えば、著作物の書籍出版にあたって3年間の期限を付して出版権設定契約を結んだ場合、その3年間は、著作者は他の出版者に対して同じ著作物の出版を許諾することができません。仮に他の出版者が出版を行えば、出版権者は、その出版権に基づいて出版の停止や出版物の回収、損害賠償の訴えなどを行うことができます。

 

利用許諾契約においても、特定の利用者に独占利用を認める約束が可能ですが、この約束はあくまでも当事者間でしか効果がなく、利用者が契約に基づいて第三者の利用行為を禁止することはできません。出版権は、第三者の行為も禁止できる強力な権利なのです。このように出版権は著作者の権利行使を制約する反面、出版者には原稿等の引渡しを受けてから6ヶ月以内に出版する義務や、継続して出版する義務が課されており、著作者の保護につながる側面もあります。著作者としては、出版権設定の利害得失を十分に吟味した上で、出版権設定契約を結ぶかどうかを判断すべきでしょう。


なお、出版権が設定された著作物であっても、出版以外の利用(放送、インターネット配信等)には出版権は及びませんから、これらの利用について、著作権者の権利行使が制約を受けることはありません

 

※この記事は、「月刊公募ガイド」2009年9月号で掲載されたものです。法改正などにより、当時と状況が変わっている場合があります。

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