公募ガイド

  • お問い合わせ 03-5312-1600
  • お問い合わせ 03-5312-1600
TOPページ > 公募のための著作権Q&A > 2010年 > フェアユース(2010年5月号)

公募ガイド

フェアユース(2010年5月号)

公募ガイド

公募ガイド誌上で1998年4月号から2014年3月号に渡って連載された、「公募のための著作権Q&A」を再掲載します。

毎週火曜日にバックナンバーを更新していきます。

 

講師:吉田大輔(放送大学客員教授)

フェアユース

最近、著作権関係で「フェアユース」が問題となっているようですが、どのような議論なのでしょうか?

 

著作物の多様な利用形態に対応できるよう、自由利用に関する一般的な根拠規定(フェアユース規定)を導入すべきかという問題です

 

「フェアユース(fair use)」(公正使用)という用語は、広い意味では著作物を自由に利用できること全般を指す場合もありますが、現在、活発な議論となっているのは、権利制限に関する一般的な根拠規定(「フェアユース規定」)を日本にも導入すべきかどうかという問題です。

 

他人の作品を利用する場合、著作権法ではアイデアは保護されないことや保護期間の経過などに基づいて自由利用ができる場合もありますが、権利制限規定も自由利用の根拠として大きな役割を果たしています。権利制限規定は一定の利用行為について著作者等の権利を制限するもので、その範囲内であれば自由利用ができますが、規定の対象となっていない利用行為は権利者の許諾を要し、無断利用は権利侵害となります。


日本の著作権法は、これまで個別の利用類型ごとに個別の権利制限規定を設けるという「限定列挙方式」をとってきました(例、私的複製については30条)。しかし、著作物の利用形態は社会の変化に伴い目まぐるしく変化し、従来の権利制限規定が想定していない利用形態が生まれることもあります。これに対応するため、新たに明確な個別の権利制限規定を設けるだけではなく、別途、あらかじめ個別の利用類型に限定することなく、多様な利用行為についてそれが実質的に権利者の利益を不当に害しているかどうかを吟味して、適法と認めることができるような一般的な根拠規定を設けるべきではないかという意見があります。


アメリカ著作権法の中には、一定の判断要素を示しながら、フェアユースは権利侵害とならないことを定めた一般規定があります。これにならって、「日本版フェアユース規定」といわれることもあります。


しかし、一般規定の導入は無断利用を増加させ、権利者にとって不利な結果となるから、法制化すべきではないという強い反対があります。現在、文化審議会で検討されていますが、まだ結論は出ていません。

 

※この記事は、「月刊公募ガイド」2010年5月号で掲載されたものです。法改正などにより、当時と状況が変わっている場合があります。

PAGE TOP

PAGE TOP