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取材活動と著作権(2010年6月号)

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公募ガイド誌上で1998年4月号から2014年3月号に渡って連載された、「公募のための著作権Q&A」を再掲載します。

毎週火曜日にバックナンバーを更新していきます。

 

講師:吉田大輔(放送大学客員教授)

取材活動と著作権

作品創作のために様々な資料を収集しますが、著作権と関係することがありますか?

 

取材そのものでは問題となることは少ないと思われますが、創作への利用方法次第では著作権者の許諾を得ることも必要となります

 

作品の創作過程においては、参考となる作品を閲覧したり、参考文献や図版などの資料を収集したり、関係者へインタビューを行ったり、あるいは自ら写真撮影や写生などをして材料を集めたりするなど、取材活動の一環として、他人が創作した作品(著作物)に接したり、利用する場合があります。これらの作品には著作権が存している場合も多く考えられますので、著作権との関係を整理しておくことが必要です。


まず、他人の作品の閲覧、視聴や、文献や図版などの購入については、これらに関わる権利は著作権法上設けられていませんから、自由です。


一方、文献や図版などをコピーという手段で入手する場合には、著作権(複製権)との関係が生じる可能性があります。関係者へのインタビューに際して、発言を録音したり、筆記録をとることも、口述された著作物の複製に当たります。美術作品などの写真撮影や写生も同様です。


しかし、創作の材料集めとして取材者が自ら複製(コピー、録音、写真撮影など)を行う場合には、「私的使用のための複製」(著作権法30条1項)で許された権利制限のケースに該当し、著作権者の許諾を要しない例も多いと考えられます。ただし、第三者にコピーなどを依頼して提供してもらう場合(例えば業者への複写依頼)には、この規定に該当せず、複製を行った第三者の行為が問題となることがあります。


このように取材そのもので著作権問題が生じることは少ないと考えられますが、取材によって収集した資料を自分の作品に取り込んで発表するなど、その利用方法次第では著作権の問題が大きく関わってくることがあります。「引用」など、著作権法上認められた例外に該当しない限りは、その作品の著作権者から許諾を得る必要が生じてくるのです。


これから何回かに分けて、取材活動に関わる著作権問題、取材で収集した資料の利用に関わる著作権問題をみていくこととしましょう。

 

※この記事は、「月刊公募ガイド」2010年6月号で掲載されたものです。法改正などにより、当時と状況が変わっている場合があります。

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