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著作権判例から~ホームページ転載~(2011年1月号)

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公募ガイド誌上で1998年4月号から2014年3月号に渡って連載された、「公募のための著作権Q&A」を再掲載します。

毎週火曜日にバックナンバーを更新していきます。

 

講師:吉田大輔(放送大学客員教授)

著作権判例から~ホームページ転載~

導入文を付けて月刊誌の記事をホームページで紹介することは、著作権法上、正当な「引用」に当たりますか?

  

単なる導入文を付けた程度では正当な「引用」には当たりません

 

ホームページによる情報発信に際して他人の著作物を利用する場合には、著作権に十分な注意を払うことが必要です。ホームページ用のサーバに他人の著作物を入力し、それをネット送信することは著作権法上の「複製」及び「自動公衆送信」に当たり、正当な理由なく無断で行えば、著作権(複製権、公衆送信権)の侵害となるおそれがあります。


他人の著作物を無断で利用する場合、「引用」(著作権法32条1項)だから正当だという反論がなされることがあります。しかし、「引用」とは、報道、批評、研究等の目的で自己の著作物中に他人の著作物の全部又は一部を採録するもので、引用して利用する側の著作物と引用されて利用される側の著作物を明瞭に区別して認識することができ、かつ、両著作物の間に前者が主、後者が従の関係があるものと解されています(最高裁昭和55年3月28日判決)。引用は、新しい著作物を創作する上で既存の著作物の利用が不可欠な場合があることを考慮したものですから、利用する側に著作物性、創作性があることが前提となります。


月刊誌に連載されたがん治療体験記事をがん治療を行った病院がそのホームページ上に転載したことが著作権侵害に当たるかが争われた事件では、記事の転載にあたり病院側が本文の前に導入文を付した場合に、それが「引用」に合致するかが問題となりました。例えば、「○○さんはどのようにして9度の告知を乗り越えてきたのでしょうか?その鍵となる医師との連携とは?」とか、「○○さんが乗り越えた、初めての手術の経験が語られます。」のような1文又は2文からなる導入文が付され、その後数頁分にわたる記事が転載されるという形態です。

 

東京地裁平成22年5月28日判決は、導入文は、「いずれも短文の上、内容もおしなべて平凡なものであり」、著作物性を認めることは困難であること、また、仮に著作物性を認めるとしても、引用の「主従関係」に合致していないとして、正当な「引用」には当たらないと判断しました。

 

※この記事は、「月刊公募ガイド」2011年1月号で掲載されたものです。法改正などにより、当時と状況が変わっている場合があります。

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