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映像作品の著作権の帰属(2011年5月号)

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公募ガイド誌上で1998年4月号から2014年3月号に渡って連載された、「公募のための著作権Q&A」を再掲載します。

毎週火曜日にバックナンバーを更新していきます。

 

講師:吉田大輔(放送大学客員教授)

映像作品の著作権の帰属

映像作品の製作にあたり友人から製作資金の提供を受けました。著 作権はこの友人にもありますか?

  

単なる資金提供だけでは著作権はありません

 

映像作品が映画の著作物に該当する場合、その著作者は、映画の「制作(筆者注:プロデュースのこと)、監督、演出、撮影、美術等を担当してその映画の著作物の全体的形成に創作的に寄与した者」(著作権法16条)とされています。ここでいう「制作」には、作品の企画、作品製作に要する資金の調達や管理、製作に必要なスタッフや出演者その他の確保、物品等の調達、製作進行管理、契約管理その他、映画製作に必要な各種の条件整備等の役割が含まれるとともに、場合によっては作品の内容にも関与することもあります。このような「制作」の役割の重要性から、映画の著作者の中に含まれているのです。


しかしながら、映像作品の製作資金を提供するにとどまる者の場合には、ここでいう「制作」を担当した者には該当しません。「制作」とはあくまでも映像製作を行う側に立つ者を指すからです。企業や公的機関が広報や宣伝用に映像プロダクションに映画の製作を依頼し、そのための資金を提供することがありますが、この場合も企業等は「制作」を行っているわけではなく、映画の著作者の中に含まれるわけではありません。したがって、企業等が製作された映像作品の著作権を確保したいのであれば、委託契約上、著作権の帰属を別途定める必要があります。


映画会社等がフリーの監督やプロデューサーなどを起用して映画製作を行う場合には、著作権の帰属について特別の定めがあります。著作権法29条1項では、映画の著作権は、その著作者(監督等)が映画製作者に対して映画製作に参加することを約束しているときは、映画製作者に帰属することを定めています。映画製作者とは映画の製作に発意と責任を有する者で映画会社や映画製作委員会などがこれに当たります。企業等が映像プロダクションに映画製作を依頼した場合には、映像プロダクションがここでいう映画製作者に該当することになります。企業等は、資金の提供だけであれば、映画製作者には該当しません。


※この記事は、「月刊公募ガイド」2011年5月号で掲載されたものです。法改正などにより、当時と状況が変わっている場合があります。

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