公募ガイド

  • お問い合わせ 03-5312-1600
  • お問い合わせ 03-5312-1600
TOPページ > 公募のための著作権Q&A > 2011年 > 折り紙の「折り図」(2011年10月号)

公募ガイド

折り紙の「折り図」(2011年10月号)

公募ガイド

公募ガイド誌上で1998年4月号から2014年3月号に渡って連載された、「公募のための著作権Q&A」を再掲載します。

毎週火曜日にバックナンバーを更新していきます。

 

講師:吉田大輔(放送大学客員教授)

折り紙の「折り図」

折り紙の折り方を説明した「折り図」は著作物になりますか?

  

「折り図」の内容次第では著作物になることもあります

  

人が作り上げる「もの」にはそれぞれ作り方があります。単純なものから高度なものまで様々ですが、ものの作り方そのものは「アイデア」に属するものであり、著作権法上保護される著作物には当たりません。例えば、料理の調理方法はアイデアであり、著作物には当たりません。


しかし、この作り方を解説した文章や図面などは、その内容次第では著作物として保護される可能性があります。料理の調理方法自体は著作物でなくても、それを解説した料理書は著作物になる場合もあるのです。


ある折り紙作家が創作した「へんしんふきごま」と呼ばれる折り紙があります。これは人が息を吹きかければ「こま」のように回転するように作られた折り紙で、その折り方を説明した「折り図」が著作物に当たるかどうかが争点の一つとなった裁判で、東京地裁平成23年5月20日判決はこの「折り図」は著作物に当たることを認めました。


問題となった「折り図」は、32の折り工程を1~10の手順に分解し、折り筋等を示した図面、文章、完成形を示した図面、写真等によって構成されているものですが、裁判所は、折り方は定型的なものであることなど折り図における表現の幅は大きいとは言えないとしながらも、①32の工程のうちどこまでの工程を一つの手順にまとめて何個の説明図を用いて説明するかについては選択の幅があること、②具体的な説明において、色分け、矢印、点線、実線等を駆使することによって折り方を示し、読み手が分かりにくいと考えた箇所は説明文や写真によって補足説明を行っていること、③本件折り図に従えば特段の支障なく作成できること、これらを考慮すれば、折り図全体として、説明図の選択・配置、矢印、点線等と説明文・写真の組み合わせによって一連の折り工程(折り方)を見やすく、分かりやすく表現したものとして、その創作性を認めることができるから、著作物に当たると判断したのです。


なお、この折り方に従って作成された折り紙作品の著作物性の判断はまた別個の評価が必要であり、区別して考える必要があります。


※この記事は、「月刊公募ガイド」2011年10月号で掲載されたものです。法改正などにより、当時と状況が変わっている場合があります。

PAGE TOP

PAGE TOP