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電子出版と著作権の関係(2011年12月号)

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公募ガイド誌上で1998年4月号から2014年3月号に渡って連載された、「公募のための著作権Q&A」を再掲載します。

毎週火曜日にバックナンバーを更新していきます。

 

講師:吉田大輔(放送大学客員教授)

電子出版と著作権の関係

最近、電子出版の話題が多くなりましたが、電子出版と著作権の関係は従来の出版とはどのように違うのですか?

  

公衆送信権などサービスに関係する著作権の内容が異なります

  

電子出版の概念にパッケージ系のデジタルコンテンツを含める場合もありますが、ここでは、電子出版とは、インターネットなどを経由してパソコンやモバイル端末に「出版物」を配信することを指すものとして説明していきます。配信される内容に応じて「電子書籍」、「電子コミック」、「電子ジャーナル」などと呼ばれることもあります。

 

配信される「出版物」は、従来の印刷形式の出版物の内容をデジタル化して配信する場合もあれば、最初から電子出版用に制作されたもの(ボーンデジタル)もあります。いずれにしても、配信される内容が著作権法上の「著作物」であれば、電子出版に際して著作権との関係が生じます。伝統的な出版の場合と電子出版の場合を比較しながら、整理してみましょう。


まず、伝統的な出版の場合には、書籍などの形態で印刷することは著作権法上の「複製」に当たり、「複製権」という権利が関係してきます。電子出版の場合には、デジタル化やサーバへの蓄積などの行為が「複製」に該当しますから、著作物の著作者はそれらの行為に対して「複製権」を行使することができるという立場を有しています。


次に、伝統的な出版の場合、書籍等の出版物は書店などを通じて公衆に販売などがなされます。これは著作権法上の「譲渡」であり、「譲渡権」が関係してきます。出版を行う者は、複製権と譲渡権の両方について著作者から許諾を得た上で実施する必要があります。これに対して電子出版の場合には、インターネットなどを通じて公衆に配信されることになりますので、「譲渡」とは異なり、著作権法上は「公衆送信」という概念に該当します(より厳密には「自動公衆送信」)。この行為に対する「公衆送信権」は、実際に送信される段階だけでなく、その準備段階である「送信可能化」(いわゆる「アップロード」のこと)の段階から適用される権利です。つまり、電子出版の場合、著作権法上の権利としては、「複製権」と「公衆送信権」の2種類の権利が関係することとなります。


※この記事は、「月刊公募ガイド」2011年12月号で掲載されたものです。法改正などにより、当時と状況が変わっている場合があります。

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