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電子出版と出版者の関係(2012年1月号)

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公募ガイド誌上で1998年4月号から2014年3月号に渡って連載された、「公募のための著作権Q&A」を再掲載します。

毎週火曜日にバックナンバーを更新していきます。

 

講師:吉田大輔(放送大学客員教授)

電子出版と出版者の関係

電子出版を行った出版者には何か権利が発生するのですか?

  

現行法では出版者に権利が発生することはありませんが、出版者に何らかの権利を与えるべきだという意見があります

  

著作権法上の権利者には大きく分けて、著作者、著作隣接権者、出版権者の3種類があります。


著作者は、著作物の創作という事実に基づいて、著作権法上自動的に、著作者人格権と著作(財産)権の2種類の権利を取得します。著作者には作家、作曲家、画家、写真家その他創作を行った者が該当します。


著作隣接権者は、著作物の伝達に関わる者で、実演家、レコード製作者、放送事業者及び有線放送事業者の4者が該当します。実演家には歌手、演奏家、俳優などが含まれます。レコード製作者はレコードの原盤を製作した者です。放送事業者と有線放送事業者には、NHKなどの放送局やCATV局などが含まれます。これらの著作隣接権者も実演、レコード製作、放送又は有線放送という行為を行えば、著作権法上自動的に著作隣接権を取得します(実演家には実演家人格権も)。


一方、出版者の場合、雑誌などの編集著作権を有する場合は別として、書籍などの著作物を出版したことによって何らかの権利を著作権法上自動的に取得することはありません。出版者は、著作者との契約に基づいて書籍などの出版物について「出版権」と呼ばれる権利を取得することができますが、この権利の設定には著作者との契約が必要であり、言い換えれば、著作者の有する著作権から派生的に認められた権利なのです。また、この出版権は印刷物としての出版物に限って設定することができる権利とされており、電子出版には適用されません。


このような出版者を巡る権利状況から、最近、出版界からは、電子出版の拡大普及のためには、著作者との電子出版に関する契約を円滑に進め、また、電子出版の無断利用(権利侵害)に対する法的な対応を効果的に行う必要があり、そのためには出版者に何らかの法的権利を与えるべきであるという意見が提起されるに至っています。この問題については、現在文化庁に有識者の会議が設けられ、検討が行われています。


※この記事は、「月刊公募ガイド」2012年1月号で掲載されたものです。法改正などにより、当時と状況が変わっている場合があります。

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