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図書館による配信サービス(2012年2月号)

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公募ガイド誌上で1998年4月号から2014年3月号に渡って連載された、「公募のための著作権Q&A」を再掲載します。

毎週火曜日にバックナンバーを更新していきます。

 

講師:吉田大輔(放送大学客員教授)

ブログに認められる著作権

図書館がその所蔵する出版物をデジタル化してインターネットで配信サービスを実施することはできますか?

  

原則としてデジタル化や配信サービスに関する権利者の許諾を得る必要があります

  

都道府県や市町村などが設置する公共図書館と国立国会図書館では著作権法上の位置づけが異なりますので、区別して考える必要があります。


まず、公共図書館の場合には、資料保存の目的であれば、著作者の許諾を得なくても、所蔵する図書館資料を用いて複製することができますが(著作権法31条1項2号)、これは資料の汚損、毀損などが生じた場合に限定されており、図書館が購入した資料をインターネットサービスのためにデジタル化することは、この規定の適用範囲を超えていますので、デジタル化(複製)には原則として著作者の許諾を得る必要があります。

 

また、インターネット配信を行うことについては、著作者の「公衆送信権」が適用されることになりますので、公共図書館が所蔵資料の配信サービスを行う場合には「複製」と「公衆送信」の許諾を得ることが必要となります。最近は、公共図書館が出版社などとの契約に基づき、電子書籍などを導入し、館内サービスだけではなく、館外からのアクセスも認めているケースがありますが、この場合には契約によってきちんと権利処理が行われているので、著作権法上の問題は生じないのです。


一方、国立国会図書館は、国民の知的生産物の総体を保存継承する特別な役割を担っており、納本制度を活用しながら資料を順次デジタル化し、アーカイブ化する事業を進めています。このような国会図書館の役割を支援するため、著作権法でも特別な地位を与え、国会図書館ではその所蔵する資料を原本の保存のために積極的に資料のデジタル化を進めることが認められているのです(31条2項)。しかし、そのアーカイブ・データを活用した配信サービスについては、現在の法律ではやはり著作者の許諾が必要です。現在、国会図書館のアーカイブ・データを、今後、公共図書館で活用する方策、さらに家庭への配信サービスや民間電子出版事業への活用などの問題について検討が行われています。


※この記事は、「月刊公募ガイド」2012年2月号で掲載されたものです。法改正などにより、当時と状況が変わっている場合があります。

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