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パブリシティ権(2012年5月号)

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公募ガイド誌上で1998年4月号から2014年3月号に渡って連載された、「公募のための著作権Q&A」を再掲載します。

毎週火曜日にバックナンバーを更新していきます。

 

講師:吉田大輔(放送大学客員教授)

パブリシティ権

ピンク・レディーの肖像に関する最高裁判決の内容を教えてください

 

肖像の使用について「パブリシティ権」があることを認めました

  

新聞報道などでも大きく取り上げられましたが、昭和50年代、女性デュオ「ピンク・レディー」として一世を風靡した芸能人の写真を週刊誌が無断で掲載したことについて芸能人側が損害賠償を求めた事件に対して、平成24年2月2日最高裁が判決を下しました。結論としては損害賠償請求は認められませんでしたが、判決では「パブリシティ権」と呼ばれる権利について、どのような場合に認められるかを明らかにしています。


人の肖像、氏名の利用に関しては2つの側面があります。まず、個人情報の保護という観点から「みだりに自己の容貌等を撮影されないということについて法律上保護されるべき人格的利益」(最高裁平成17年11月10日判決)として理解されるものがあり、次に、本事件のように「肖像等それ自体の商業的価値」として理解されるものがあります。


最高裁は、肖像等は、商品の販売等を促進する顧客吸引力を有する場合があり、このような顧客吸引力を排他的に利用する権利(パブリシティ権)は人格権に由来する権利の一内容を構成するものと位置づけています。そして、「肖像等を無断で使用する行為は、①肖像等それ自体を独立して鑑賞の対象となる商品等として使用し、②商品等の差別化を図る目的で肖像等を商品等に付し、③肖像等を商品等の広告として使用するなど、専ら肖像等の有する顧客吸引力の利用を目的とする場合に、パブリシティ権を侵害する」という見解を示しました。ただし、肖像等が時事報道、論説、創作物等に使用されることもあり、使用された者も正当な表現行為としてそれを受忍すべき場合もあることも認めています。


本件写真の使用については、ピンク・レディーそのものを紹介するものではなく、ピンク・レディーの曲の振り付けを利用したダイエット法の解説に際して付随的に用いられたもので、肖像の有する顧客吸引力の利用を目的とするものではなく、パブリシティ権の侵害には当たらないと判断しました。しかし、最高裁がパブリシティ権を認め、「顧客吸引力」を核として、その及ぶ範囲の考え方を示したことは大きな意味があります。

※この記事は、「月刊公募ガイド」2012年5月号で掲載されたものです。法改正などにより、当時と状況が変わっている場合があります。

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