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ゲームの画面と著作権(2012年11月号)

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公募ガイド誌上で1998年4月号から2014年3月号に渡って連載された、「公募のための著作権Q&A」を再掲載します。

毎週火曜日にバックナンバーを更新していきます。

 

講師:吉田大輔(放送大学客員教授)

ゲームの画面と著作権

ゲームの画面も著作権によって保護されるのでしょうか?

 

一般論としてゲームの画面も著作物に該当する場合がありますが、アイデアなどの類似だけでは著作権侵害には当たりません

 

 テレビゲーム、携帯やパソコン向けのインターネットゲームを構成する画面も、一般論としては創作性が認められれば著作物として保護されます。ただし、著作権は表現を保護し、アイデアは保護しないことから、焦点がアイデアの部分にあるもの、また、表現であっても「ありふれた表現」として創作性が否定されるものは、著作物として保護されません。


釣りをテーマとした携帯向けインターネットゲームの画面を巡って類似したゲーム画面が著作権侵害に当たるか否か(「釣りゲータウン2」は「釣り★スタ」の著作権を侵害するか)が争われた事件があります。


東京地裁平成24年2月23日判決では、原告(「釣り★スタ」)の主張の一部を認め、被告の「釣りゲータウン2」の「魚の引き寄せ画面」は、原告の著作権(翻案権、公衆送信権)侵害などに当たると判断しましたが、知財高裁平成24年8月8日判決は著作権侵害を否定しました。


「魚の引き寄せ画面」は、水中を真横から水平方向の視点で描かれた映像で、三重の同心円の中に魚影が重なったところでユーザーが決定キーを押して、その結果を遊ぶようになっています。東京地裁判決は、このような同心円を用いた画面はそれまでの釣りゲームにはみられないもので、「製作者の個性が強く表れている」と判断しました。

 

しかし、知財高裁判決では、釣りゲームにおいて水中画像を用いることは他の釣りゲームとの比較からも「ありふれた表現」であること、また、釣りゲームに三重の同心円を採用した点については、弓道、射撃、ダーツ等の同心円を釣りゲームに応用したものであって、アイデアの範ちゅうに属するものであるなどと判断し、両ゲームに共通する部分は表現それ自体ではない部分(アイデア)や表現上の創作性がない部分(ありふれた表現)にすぎないとしました。その上で、両ゲームの具体的表現での相違を踏まえて著作権侵害に当たらないと判断しました。微妙な判断に関わる事件ですが、最高裁に上告されましたので、その判断が注目されます。

 

※この記事は、「月刊公募ガイド」2012年11月号で掲載されたものです。法改正などにより、当時と状況が変わっている場合があります。

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