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社交ダンスの振付の著作物性(2013年3月号)

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公募ガイド誌上で1998年4月号から2014年3月号に渡って連載された、「公募のための著作権Q&A」を再掲載します。

毎週火曜日にバックナンバーを更新していきます。

 

講師:吉田大輔(放送大学客員教授)

社交ダンスの振付の著作物性

ダンスの振付は、著作物として保護されるのでしょうか?

 

創作性のあるダンスの振付は著作物として保護されます

 

著作権法10条1項では著作物の例示を掲げていますが、その中に「舞踊又は無言劇の著作物」(3号)という例示があります。舞踊には、日本舞踊、バレエ、コンテンポラリーダンスなど様々な様式の舞踊が含まれますし、無言劇とはいわゆるパントマイムやそれに準じるものが想定されています。ただし、それらは著作物一般の要件である「創作性」の基準(作者の個性の表出)を満たすものでなければなりません。


この場合、注意すべき点は、著作物であるのは舞踊の「振付」であって、舞踊の実演ではないという点です。舞踊実演は著作隣接権の分野で「実演」として別途の保護が用意されています。つまり、舞踊に関しては、振付師が著作者であり、ダンサーは実演家ということになります。


1996年に公開され、ヒットした映画「Shall we ダンス?」のダンスシーンで用いられた社交ダンスの振付を担当した者が、映画のビデオ販売・貸与、テレビ放送などの二次利用に関して、自分の著作権を主張した事件がありました。東京地裁平成24年2月28日判決は、社交ダンスの振付の著作物性を否定して、その主張を退けました。


裁判所は、社交ダンスは、原則として「基本ステップ」や「PVステップ」などと呼ばれる既存のステップを自由に組み合わせて踊られ、競技ダンスではそれにアレンジを加えたり、場合によっては他の種類のダンスの動きを参考に新たなステップや動きを取り入れることもあると捉えています。その上で、基本ステップ等はごく短いものであり、かつ、一般的に用いられるごくありふれたものであるから、著作物性は認められないこと、基本ステップにアレンジを加えても、それは基本ステップの範ちゅうに属するありふれたもので著作物性は認められないこと、また、新しいステップや動きをを加えても基本ステップ等に組み合わされた社交ダンスを構成する一部分となる短いものであり、このような短い動きに著作権を認めることは自由な身体の動きを過度に制約するものであり妥当ではないという、極めて厳しい判断を下したのでした。


※この記事は、「月刊公募ガイド」2013年3月号で掲載されたものです。法改正などにより、当時と状況が変わっている場合があります。

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