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保護期間の戦時加算制度(2013年9月号)

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公募ガイド誌上で1998年4月号から2014年3月号に渡って連載された、「公募のための著作権Q&A」を再掲載します。

毎週火曜日にバックナンバーを更新していきます。

 

講師:吉田大輔(放送大学客員教授)

保護期間の戦時加算制度

戦前の外国著作物に関する「戦時加算」制度とは何ですか?

 

 

通常の保護期間に一定の保護期間を追加するという特別な制度です

 

外国著作物の保護期間も原則として我が国の著作物と同じ保護期間が適用されます。したがって、著作者の死後50年が経過するまでという保護期間が外国著作物の保護期間にも適用されることとなります。


しかし、その例外の一つが「戦時加算」という制度です。これは、昭和27年(1952年)4月28日に発効した「日本国との平和条約」(サンフランシスコ講和条約)に基づく措置で、戦争中は日本は連合国の著作物に対して保護を与えていなかったとの前提に立って、保護されていなかった期間を追加的に保護する義務を日本に負わせたものです。


この条約を履行するため、「連合国及び連合国民の著作権の特例に関する法律」が制定されています。それによれば、まず戦争前、つまり1941年12月7日以前に生じた著作権については同年12月8日から平和条約が各連合国について発効した日までの日数を加算することとしています。日本で利用されることの多いアメリカ、イギリス、フランスなどについては、この期間は3,794日(およそ10年5ヶ月)となります。また、戦争中に生じた著作物についてはその創作時から平和条約が各連合国について発効した日までの日数を加算することとしています。この場合には創作の時期によって加算日数は異なります。

 

一方、平和条約発効後に生じた著作物には戦時加算制度は適用されません。例えば、1940年に創作されたイギリス人の著作物で著作者が1960年に死亡した場合、通常の保護期間では2010年12月31日までが保護期間ですが、戦時加算によってさらに2021年5月下旬まで日本は保護義務を負っていたこととなります。なお、戦時加算は日数加算なので通常の保護期間と異なり、年の途中で保護期間が満了します。


この戦時加算は日本だけが片務的に負っている義務であるため、公平の観点から早期に解消すべきであるという議論が従来からありました。前回説明した著作権の保護期間の延長問題とからめて、この戦時加算制度の撤廃を同時に解決すべきであるという議論があります。

 

※この記事は、「月刊公募ガイド」2013年9月号で掲載されたものです。法改正などにより、当時と状況が変わっている場合があります。

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