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著作権侵害罪の非親告罪化(2013年10月号)

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公募ガイド誌上で1998年4月号から2014年3月号に渡って連載された、「公募のための著作権Q&A」を再掲載します。

毎週火曜日にバックナンバーを更新していきます。

 

講師:吉田大輔(放送大学客員教授)

著作権侵害罪の非親告罪化

TPP交渉では著作権侵害罪の非親告罪化が取り上げられているようですが、これはどのような問題なのでしょうか?

 

 

被害者の告訴がなくても刑事裁判で訴追することができるように法律改正を行うべきかという問題です

 

現行法では、著作権侵害、著作隣接権侵害などの権利侵害に対しては罰則が設けられており、10年以下の懲役又は1,000万円以下の罰金などの刑が適用されることとされています。通常の犯罪の場合には、捜査当局の捜査によって訴追すべき事実が探知されれば、検察当局の判断によって刑事裁判が提起され、有罪であれば処罰されるという手続となりますが、一部の犯罪については、検察当局による訴追の条件として被害者の「告訴」を条件とする場合があり、これを「親告罪」といいます。

 

親告罪は、事実が公になると被害者に不利益が生じる恐れがある場合(例、名誉毀損罪、強制わいせつ罪)、被害が軽微で被害者の意思を無視してまで訴追する必要性がない場合(例、過失傷害罪)などが具体例として挙げられます。著作権侵害などが親告罪とされた理由としては、被害者である著作者などが処罰を望んでいない場合まで国の意思で処罰を行うことは適切ではないという考え方によるものと言われています。

 

一方、著作権等の侵害においても、組織的・大規模な海賊版の製造・販売などの重大かつ悪質な事例に対しては、被害者の告訴をまたずに訴追できることとして取締りの実効性を強化すべきという意見もあります。
 

この点について検討した文化庁の文化審議会報告(平成21年1月)では、著作権等の侵害においては組織的な海賊版製造などの重大な事例から軽微な事例まで多様であること、また、著作者人格権や実演家人格権の侵害の場合には権利者個別の事情に配慮する必要があることから、一律に非親告罪化することには適当ではないという結論となりました。ただし、常習犯などの特別の類型を設けることができれば、それについては非親告罪化の可能性もあり、さらに検討すべきこととされています。


アメリカなど多くの諸外国では親告罪とされておらず、海賊版対策の強化という観点から、TPP交渉のテーマに取り上げられています。

 

※この記事は、「月刊公募ガイド」2013年10月号で掲載されたものです。法改正などにより、当時と状況が変わっている場合があります。

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