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現行の出版権の概要(2014年1月号)

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公募ガイド誌上で1998年4月号から2014年3月号に渡って連載された、「公募のための著作権Q&A」を再掲載します。

毎週火曜日にバックナンバーを更新していきます。

 

講師:吉田大輔(放送大学客員教授)

現行の出版権の概要

出版権とはどのような権利なのでしょうか?



現行の出版権は紙媒体の出版物に関する出版者の独自の権利です


著作権法は、作家などの著作者、実演家などの著作隣接権者に加えて、出版者にも独自の権利を与える仕組みを設けています。これを「出版権」といい、昭和9年(1934年)以来の長い歴史を持った権利です。

 

この出版権制度の目的は、特定の出版者が特定の著作物を独占的に出版することを法的に保障しようとするもので、出版権者は他人が同一の著作物を出版することを法的に排除することができる権利を有します。


出版権の内容について、著作権法80条1項は「出版権者は、設定行為で定めるところにより、頒布の目的をもって、その出版権の目的である著作物を原作のまま印刷その他の機械的又は化学的方法により文書又は図画として複製する権利を専有する」と定めています。「文書又は図画として」という限定がありますから、書籍や画集、写真集などの紙媒体での出版が対象で、音楽、映像等は対象外です。日本書籍出版協会の調査では、新刊書籍のうち書面による出版契約は73%を超え、その8割近くは出版権を設定する契約となっているというデータもあります。


出版権は、著作権者(厳密には複製権者)と独占出版を行う出版者との間で「出版権設定契約」と呼ばれる契約を結ぶこと(設定行為)によって発生します。著作権は著作者の創作の事実に基づいて自動的に発生しますが、出版権は出版という事実に基づいて自動的に発生するのではなくて、権利発生に出版権設定契約が必要となる点に特徴があります。


出版権を有する出版者(出版権者)は、第三者が同一の著作物を出版することに対して自らの出版権に基づき独自に差止請求などの法的手段をとることができます。無断出版の場合だけではなく、著作権者が出版の許諾を与えた第三者による出版に対しても差止請求などができる強力な権利です。著作権者も出版権と競合する範囲で第三者に許諾を与えることはできなくなり、その権利行使が制限されるという効果が生じます。

 

出版権の存続期間は設定行為で定めることができますが、特段の定めがない場合には、最初の出版があった日から3年で消滅します。

 

※この記事は、「月刊公募ガイド」2014年1月号で掲載されたものです。法改正などにより、当時と状況が変わっている場合があります。

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