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新たな「電子出版権」の概要(2014年2月号)

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公募ガイド誌上で1998年4月号から2014年3月号に渡って連載された、「公募のための著作権Q&A」を再掲載します。

毎週火曜日にバックナンバーを更新していきます。

 

講師:吉田大輔(放送大学客員教授)

新たな「電子出版権」の概要

新設される「電子出版権」とは、どのような権利なのでしょうか?



紙媒体の出版物の電子化や、最初から電子形態で提供される電子書籍の利用について、電子出版権者に一定の権利を与えるものです


現行の出版権(前号参照)は紙媒体での出版を対象としているため、紙媒体の出版物が電子化されインターネット配信される場合や、もともと電子形態で作成された書籍(ボーンデジタル)がインターネット配信される場合に対しては、出版権は適用されないという限界があります。

しかし、近年、出版物の紙面が無断で電子化され、インターネット上にアップロードされる事例が増加しており、被害額も増大しています。このような無断アップロードに対して著作者は公衆送信権に基づいて法的手段を講じることができますが、個人の著作者の対応には限界があります。このような海賊行為は著作者のみならず出版者の利益も害します。

さらに、電子書籍の場合には、出版者自らが運営する配信サイトだけではなく多様な配信業者を経由して読者に伝達されていくことが予想され、この面についても出版者の法的地位を確立しておく必要があります。

これらを踏まえて、インターネット上の海賊行為に対して出版者が独自に法的対抗措置を講じるようにするとともに、電子書籍の流通と利用に関する円満な秩序形成を促進する観点から、文化庁の文化審議会は、電子出版に対応した出版者の新たな権利を付与すべきという提言をまとめました。これが「電子出版権」の創設と呼ばれるものです。

この提言では、電子出版権の発生については現行の出版権の場合にならって、著作権者と出版者との間の電子出版権設定契約に基づいて発生するという考え方を採るべきとしています。また、電子出版権の内容は、インターネット送信に対応するため、公衆送信権と公衆送信に必要な範囲での複製権とすることが提案されています。また、出版者以外の配信業者による配信に対応するため、電子出版権者には再許諾権を与えて、それらの業者が配信することを可能とする内容となっています。

現行の出版権との関係をどうするかなど、残された課題もありますが、文化庁は、今後、著作権法改正を行うことを予定しています。

 

※この記事は、「月刊公募ガイド」2014年2月号で掲載されたものです。法改正などにより、当時と状況が変わっている場合があります。

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