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独りごち 其の23「作家のふんどし」

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作品添削講座ができる前、ある日、「助言のとおり書き直して受賞しました」とお礼の電話がかかってきた。そのことはおぼろげながら覚えていたが、電話で言ったアドバイスのほうはさっぱり思い出せない。が、「私、どんなアドバイスをしました?」と尋ね、聞いているうちに思い出した。ただ、それは『藤本義一の文章教室』という本に書いてあったことをまんま言っただけだったので、作家のふんどしで相撲をとったようで、なんだか妙におもはゆいのだった。(黒)

小説抄 其の30「三浦哲郎『拳銃と十五の短篇』」

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子どもの頃、父はときどき日本刀を取り出して手入れをしていた。唾液が飛ばないように半紙を口にくわえて打ち粉をつけたりするのだが、危険物を扱っているせいか、その場の空気が張り詰めていた記憶がある。高度経済成長のまっただなか、まだ羽振りがよかった頃だ。数年前、父はその日本刀を引っ張り出し、引き取ってくれと言った。このとき、父の会社には3億の負債があり、倒産すれば家も土地も家財道具も人手に渡る、遺産どころか負の遺産しか残らない、だから今のうちにということだったらしい。

家に帰ったあと、なんだか三浦哲郎の『拳銃』みたいだと思った。ある日、母親から電話がかかってきて、父親の遺品を調べていたら六連発の拳銃が出てきた、怖いから処分してくれと言われる。三浦哲郎は六人兄弟の末っ子として生まれたが、障害を持つ姉二人が次々に自殺、二人の兄は失踪という血を持つ。そんな子どもを持った父親は、死のうと思えばいつでも死ねるということを糧に生きてきた。父親の死後、その拳銃を見たとき、息子である三浦哲郎は一瞬でそうさとったことを思い出す。『拳銃』はそういう話だ。

この小説では、余命いくばくもない父親を「毎日少しずつ死んでいく父親」と表現している。なるほどと思う。私の父も死期を宣告され、しかし、本人が手術を拒否したので、最後の数年はまさにそんな感じだった。また、この小説では父親を拳銃に象徴させており、そこが絶妙だ。死だとか人生だとか目に見えないものを語っても読後感は漠としてしまうが、拳銃というモノに仮託すると、ずっしりと重さが感じられる。これほどモノをうまく使ったモノ語りはなかなかない。

さて、しばらくして、父から「やっぱり処分しろ」と言われた。それで刀剣屋に売ってしまったのだが、思い出がひとつなくなったようで寂しいものがあった。しかし、あとになってみると、あれは最後のおこづかいのつもりだったのではないかという気がして、今はその親心のほうが切ない。(黒)

独りごち 其の22「後藤先生、修業時代」

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後藤みわこ先生は、結婚後、子どもができてから、賞金目当てで投稿するようになり、そのままプロになられた。その過程を「童話公募必勝講座」のテキストから引用すると、「自己流では入選しないと悟り、通信講座を受けたこともあります。『公募ガイド』に掲載された童話の特集や、童話講座の連載は何度も読みました。/わたしの『勉強法』は、ひたすら書くこと、そして応募すること、でした。『童話賞が創作教室だった』といってもいいかもしれません」。当時、公募ガイドには「プロを目指すもよし、賞金稼ぎに徹するもよし、まずはチャレンジ!」というキャッチフレーズがあったが、その両方を叶えた数少ない一人だった。(黒)

TK-プレス 其の30「帯に大きし」

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書店を模して本棚を五十音順にすると、片岡義男を挟んで梶井基次郎と河盛好蔵が並んでしまったりするのだが、それでもみな自分の本だからジャンル違いはさほど気にならない。許しがたいのは家人が読んだ小説が交じることで、そんなときは「こんな2時間ドラマになるようなものは小説じゃねえ」など言って密かに端のほうに押しやったりしたりする。本棚は履歴書のようなものだから、たとえ家人のものでも、身に覚えのない経歴を並べられるのは居心地が悪い。

書店で本を買うと、「カバーはおつけしますか」と聞かれるが、私はつけない。あんなものをつけて本棚に置いたら、どれがどの本だか分からなくなってしまうし、いちいち中を開いて確かめるのも面倒だからだ。そう言うと、「人前で読むときに恥ずかしくない?」と言われるが、冗談じゃない。他人に見られて恥ずかしいような本は読まないし、仮にそれが『エロティシズム』であっても、それは渋澤龍彦を知らないほうが悪いのだと思って気にしない。

ただ、買ったままの状態で読んでいると傷むので、カバーははずして読む。その際、カバーに付いている帯はまっさきに捨てる。帯というのは「○○氏、絶賛」とか書かれて本に巻いてあるやつだが、私はあれが大嫌いだ。帯は本ではなく広告である。広告は本来、本に挟み込むべきものであるが、今では本に巻きついて、しかもデザインの一部にまでなっている。だから、帯を見ると、「チラシの分際で『私、本の一部です』みたいな顔しやがって」と頭にきて破り捨てるのだ。

先日も、吉田修一の『悪人』を買ったら、「9.11ロードショー」のように書いてあったので破り捨てようとしたが、これが取れない。おかしいなと思ったら、カバーに印字してある。本自体に宣伝を入れるか!と思いながら、いつものようにカバーを取ると、なんと中にカバーが! つまり二重のカバーというか、一皮目はカバーに化けた帯だったのだ。ときどき、このような進化した帯を見るが、さすがにこうなると捨てられない。完敗である。いや、本当のカバーも隠れてしまうから引き分けか。って、いったいなんの勝負か分からないけれど。(黒)

パイロット アートシリーズ おえかきコンテスト2010

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9月だというのに、暑い日が続いていますね~
暑さで化粧が溶けて、化けの皮が剥がれちゃっている(石)です。

ですが、取材にかける情熱は、外の暑さより熱いのだよ!!
ということで、9月2日~3日にかけて開催された、PILOTの商品を紹介する見本展 Autumn collection 2010にいってきました

PILOTといえば、公募ガイド愛読者の方にはぴん!ときたのでは
そう、現在、絶賛開催中 PILOTと公募ガイドが主催の「おえかきコンテスト2010」です

残念ながら、お店や関係者向けの展示で、一般の人は入れないのですが、同コンテストの紹介ブースがある! とのことで張り切って出陣してきました。

会場に入ると、美しい蒔絵をほどこした万年筆が真っ先に目に飛び込んできます。こんな素敵な万年筆で小説書いてみたいわ~とうっとり
また興味深かったのが、万年筆の技術を利用した指輪などの宝飾品があったこと。
万年筆には(特にペン先)に貴金属が使用されており、PILOTでは今までに蓄積した技術を使い「傷がつきにくい、純度の高い」宝飾品を作っているのだとか。

他にも、今話題の「消せる」ボールペンのフリクションボールのブースが
65℃以上の高温で文字が消え、-20℃で再度文字が浮かびあがるインクを使用しているのだそうです。
便利~、他にも何かミステリー小説のトリックに使えないかしら などと埒の明かないことを思いつつ、さらに進むと「おえかきコンテスト」のブースに到着♪

告知ブースブースでは、Suicaペンギンの生みの親「坂崎千春」さんが、このコンテストのために書き下ろした作品がババーンと展示されておりました

コンテストでは「クレオロール」「ゲルマーカー」「ウォーターカラー」「クロッキー」のいずれかを使った作品を募集しています。
私は「ゲルマーカー」で試し描きをしてみたのですが、すっごい面白い感触なんです
例えるなら、ちょっと柔らかめの「口紅」で描いている感触。すぅ~と色が伸びていくので塗りやすく、さくさく描けて快感です★

試し描きもできました楽しくて色々試しているうちに、せっかく綺麗だったブースが散乱状態
公募ガイド内では、この散乱状態を『(石)現象』と呼び、「またか」のつぶやきと共にあったか~い目で見られております。ゴメンナサイ
それだけ周りを忘れて楽しく描けるということで。

公募の詳細や応募用紙は、全国の文具店・百貨店・量販店、またPILOTのウェブサイトからも入手できますので、応募したい方は是非そちらで入手してください。
もちろん公募ガイドにも詳細が載っていますので、そちらもご覧ください。

最優秀賞の賞金は10万円! 
締め切りは10月5日です。
イラスト初めて!!という方から、よく描いているけれどいつもは違う画材を使っている方、PILOTOの画材はいつも使ってるよ!という方まで、ふるってご応募ください。(石)

独りごち 其の21「『作家デビューへの小説指南』開講」

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薄井ゆうじ先生と話していたとき、「小説のツボ、教えます」の講座を修了したある方について、「この人なんかもっと長い作品を読んでみたい気がします」と言われたので、「だったらぜひお願いします」ということで、「作家デビューへの小説指南」という講座が開講となりました。本日より随時受け付けします。企画って案外雑談の中から生まれるものなんですね。(黒)

小説抄 其の29「浅田次郎『鉄道員』」

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初めてビートルズを聞いたとき、A面1曲目の「Love me do」をいい!と思い、次の「Please please me」はもっと気に入り、「From me to you」「She loves you」とどんどんよくなっていくので驚いたことがあった。日本の歌手の場合、一発ヒット曲を飛ばし、それが気に入ってアルバムを買ってみると、ヒット曲以外は聞くに堪えない曲だったり、そこまではいかなくても「CMソング『○○』収録」と書かれたその『○○』を超える曲があることは本当に稀なことだったりする。

小説の短編集にも似たようなところがあり、表題となるようなデビュー作こそ読めるが、ほかはどうということもない凡作か、二番煎じだったりして、表題作以外は単行本化するための数合わせじゃなかろうかと思ったりすることもある。いや、そこまでひどいのは少ないが、「むしろ、こっちのほうが表題作にふさわしいぞ」と思うこともまた稀であるのは確かだ。

その稀があった。『鉄道員(ぽっぽや)』がそうで、これはこの短編集を読んだ十人中十人がそう言う。『鉄道員』には、順に「鉄道員」「ラブ・レター」「悪魔」「角筈にて」「伽羅」「うらぼんえ」「ろくでなしのサンタ」「オリヲン座からの招待状」の8編が収録されているが、映画にもなった「鉄道員」を押す人は意外と少ない。私もそうで、これは私に問題があるのだが、当初バリバリの純文学だと思って読み始めてしまったので、途中で「なんだ、幽霊か。アホらしい」と思ってしまい、そんな話ばかりだったらうっちゃっておこうかと本気で思ったくらいだった。

ところが、「ラブ・レター」「悪魔」「角筈にて」とどんどんおもしろくなり、そのまま右肩上がりで「オリヲン座からの招待状」まで行ってしまった。これは表題作を間違えていると、いい意味で不満が残ったほどだった。この8編を対象に100人に人気投票をしたら、たぶん、「鉄道員」が5票ぐらいで、あとの95票を7編が均等に分け合うのではないか。そう思うほど甲乙つけがたい。今、こうしてタイトルを見ても、「鉄道員」以外はまったく順位がつけられない。(黒)

独りごち 其の20「本が呼んでいる」

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給料日を数日後に控え、財布に千円札が1枚しかないときがあったりする。1日300円か、タバコを買ったら終わりだ、やばいと思っているときに限って、読みたい本に出会ってしまう。書店に立ち寄る前は、いいか、寄るだけだからね、買わないからねと子どもを諭すように自分に言い聞かせてあったつもりが、そういうときほど衝動的に買ってしまったりする。でも、読むのは一ヵ月後だったりして、あれはいったいなんなんでしょうかね。(黒)

TK-プレス 其の29「主人公の職業」

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今回(第32回)、「小説推理新人賞」を受賞した深山亮さんは公募ガイドの読者だそうで、原稿を依頼したところ、その中で「『読む側』から『載る側』になることができ、感無量です」と書かれていた(公募ガイド10月号参照)。受賞作は「遠田の蛙」で、主人公の職業は司法書士だが、深山さん自身、現役の司法書士だから、取材するまでもなくその日常が描けたと思う。

アマチュアの場合、主人公の職業を自分とは縁もゆかりも興味もない職種にし、しかも、さして調べもしないで書いて、「普通、こんなことはありえません」などと言われたりするのだが、現職か前職、またはよく知っている職種を選べば、同業者が読んでおかしいと思うようなことも書かないだろうし、その職業を知らない人には「へえ、そうなんだ」という細部も書けるだろう。

ただ、作者と主人公が近すぎると、作者=主人公だと思われてしまい、たとえば小学校の男性教師が書いた小説の主人公が、小学生のヌード写真を売買していたりしたら、「実話なんじゃないか」と言われかねないし、いや、言ってくれれば弁解もできるが、密かに「あんな先生、キモい、最低!」と噂が飛び交うかもしれない。というのは冗談だが、作者=主人公と思われる不安は書き手の自由を奪うらしく、そんな悩みを相談されることも少なくない。

では、畑違いの職業にすればいいか。しかし、そうなるといろいろ下調べをしなければならず、たいがいの人は「かったるいなあ」と思ってしまうようだ。確かに、機械オンチの方がうっかり主人公の職業をシステムエンジニアにしてしまったために、本物のSE並みの知識を得ようと下調べをするのはしんどいだろう。興味がないならなおさらだ。

というようなことをある作家の方に言ったら、「そうではなく、作家は好奇心旺盛だから、たとえば豆腐屋を描くなら、『豆腐ってこうやって作るんだ、へえ』と興味津々で資料を読んでいると思いますよ」と言われた。なるほど。自分に関心のある職業か、なくても調べているうちに興味が湧くものにすればいいわけだ。それならつらくないかも。(黒)

独りごち 其の19「プロも特別じゃない」

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プロの作家はいつも自信満々で書いているのだと思っていましたが、あるとき、ある作家の方は、「すいすいと書けているときは、オレって天才!と思うものの、詰まったり書きあぐねたりすると、オレには才能がないのかもしれないと自信をなくす」と言っておられた。プロでもそうなんですね。失礼ながら、なんか、ちょっとうれしかったりして。(黒)

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