公募ガイド

  • お問い合わせ 03-5415-2170
  • お問い合わせ 03-5415-2170
  1. HOME > 
  2. 編集ブログ > 
  3. くまにさそわれて山に行く

公募ブログ

くまにさそわれて山に行く

カテゴリ:16_山記


山記1回目は、熊に会った話。
石川、岐阜にまたがる白山に登ったときのこと。

 

64a832822f4107f526222c26d8b2e82c

 

行くは、北縦走路。
白川郷に向かって歩いていく、静かな登山道です。

 

季節は9月末、秋真っ只中。
紅葉も進み、周囲には赤い木の実がなっています。

 

 

かれこれ8時間は歩いたでしょうか。
まだ誰にも会いません。
静かな登山もいいものだ、とのんきに構えていると。

 

 

ぬかるみに足跡を発見しました。
先行してる人がいるのかな。
と思いつつ、よく見ると。

 

60ac78b30fb35bbc90ab0442239dcc08

 

これ、人じゃないよね。
なんか、爪とかついてるんですけど。

 

まだ新しいその足跡は、前足と後足がくっきりと見て取れます。
やばいなー、いるよ。
とはいっても、鈴も付けてるし、そうそう出くわすものでもないでしょう。

 

 

気を取り直して、先へ。
紅葉と景色に見とれていると。
登山道のど真ん中にコレが。

 

b1e0f80bfe9b4758a5fbbb41d52c1c4a

 

デカイ。
絶対にいるよ。
間違いないよ。
やばいよ。

 

 

この先、道のそこかしこに、巨大な糞が転がっています。
そしてついに、出会ってしまいました。

 

距離にして30メートルくらいでしょうか。
藪の中から姿を現したのです。

 

こちらを、ちらと一瞥すると。
「あー、人がいるよ、面倒くせえなぁ」
とばかりに、のっそりと登山道を歩いています。

 

出会ったのはこのあたり。

 

ba10e0a46f03b56865c375601173570f

 

えっ、熊の写真はないのかって?

 

無理 無理 無理 無理 無理 無理。
出会った瞬間、全身固まって、写真どころじゃなかったんですって。

 

もうね、会えば分かりますから。
ほんと、なんもできなかった。

 

 

この後、熊さんは藪の中へと戻っていかれました。
恐る恐る通過します。
と、強烈な獣臭が立ち込めて。

 

あー、これが野生の熊の匂いなのね。
この匂い、一生忘れないことでしょう。

 

 

で、その30分後。
登山道の分岐点に差し掛かります。

 

右側の道に行こうとしたところ。
茂みの向こうになにかいる。

 

木の実を食べる音がします。
間違いありません。
すごい確率。1日に2度も会えるなんて。

 

「あのー、そこ通してもらえませんか」
と呟いてみたものの。
熊さんが「はい、どうぞ」と応えてくれるわけもなく。

 

 

ためしに、鈴を手にとって鳴らしてみました。
「ウーッ」とうなり声が返ってきます。
あ、返事してくれた。でも怒ってる?

 

もう一度、鈴を。
今度は「ガウーッ」。
威嚇されました。
どうやら機嫌を損ねてしまった様子。
お食事を邪魔したのがいけなかったのでしょう。

 

 

ここで三択。
1.右の道を進んで、熊とケンカする
2.引き返して、さっきの熊に再会する
3.左の道へ進む

 

そりゃ3.しかないでしょ。
でもですね、左の道を進むと、もうひと山越えなくちゃいけないのですよ。

 

bf51f8c0f4ca68645e601cc25d726f3b

 

結局、登りましたよ。
もうひと山。
足が悲鳴を上げています。

 

ここから下山する道が、これまたとんでもなく長い。
山から下りたころには、あたりは真っ暗になっていました。

 

 

川上弘美さんの『神様』のように、熊と心を通わせることはできないのでした。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

PAGE TOP

PAGE TOP