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言葉処 其の52「文章作法の嘘」

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文章作法に「同じ言葉を使わない」がある。漢詩の修辞法からきたものだが、文字数の少ない漢詩ならともかく、散文では無理がある。同じ言葉が二度三度と出てくれば言葉選びがずさんという印象は持たれるが、同じ言葉でなければいいとばかり指示代名詞を乱用すれば文意が曖昧になってしまう。なるべくなら同じ言葉を、特に近くで使わないほうがよいと解釈すべきだ。
起承転結も漢詩(四行詩)の構成法からきている。日本では「京の五条の糸屋の娘/姉は十六妹十四/諸国大名は弓矢で殺す/糸屋の娘は目で殺す」という頼山陽の俗謡が有名だが、この構成が文章に応用できるとは限らない。まとめやすくはなるが、形式に捉われないほうがいい。起承転結は論理的に主題を追究していく手段であって様式美ではないから。
「接続詞を使わない」も注意が必要だ。多用すれば幼稚な文に見えるのは事実だが、ないと困る場合もある。接続詞は江戸時代以降、文と文の関係を明らかにする必要に迫られて頻用されてきた。接続詞なしでも通じるならいいが、文章作法のいう題目だけを鵜呑みにしてすべての接続詞を削除すれば、箇条書きを繋げたような前後関係の分かりにくい文になってしまう。
「語尾を揃えない」はどうか。現代語の語尾は「た」「だ」「だった」ぐらいしかないから語尾が揃ってリズムが単調になりがちだが、推量や二重否定で語尾に変化をつけると文意が曖昧になり、体言止めや連用止めの乱用は文の品格を落とす。ではどうするか。文を長くすれば語尾が減って単調さが和らぐ。「文は短い」ほうがいいが、長くても構文がシンプルなら問題ない。(黒)

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