あの人に聞いてみたい

「あの人に聞いてみたい」は「月刊公募ガイド」の特集でご登場いただく作家の方に、創作について質問することができるコーナーです。毎月公募ガイドONLINE上で質問を募集します。

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直木賞受賞作家中島京子さんに「小説の書き方」について聞きました。

中島京子さん

中島 京子 さん プロフィール

1964年東京都生まれ。東京女子大学卒。出版社勤務を経て、2003年『FUTON』でデビュー。10年『小さいおうち』で直木賞、14年『妻が椎茸だったころ』で泉鏡花文学賞受賞。『かたづの!』『長いお別れ』など著書多数。

第2回は公募ガイド5月号の特集「小説新人賞 受賞の条件」のSPECIAL INTERVIEWにご登場いただいた直木賞作家の中島京子さんです。
取材に先立ち、中島京子さんへのご質問を募集しました。ご応募いただいた皆さん、ありがとうございます。
編集部が用意した質問を2問、皆さまからいただいたご質問から1つ選び、中島京子さんに回答してもらいました。

皆さんから寄せられた質問はこちら

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中島京子先生の『樽とタタン』を読みました。小学生のタタンが主人公ですが、この話を語っているのは、小学校の頃から30年以上も経ったあとのタタンです。このような設定にした理由を教えてください。

編集部より

中島さんからの回答

長い時間が経ってから回想しているという形をとることによって出てくる効果を考えました。
語っているのは記憶の中のことだから、タタンに本当に起こったことなのか、いつの間にか作ってしまったストーリーなのか、誰かに聞いた話なのか、どこかで読んだ話なのか、いろいろ混ざっちゃっているだろうというような想定で書いています。

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中島京子先生の『樽とタタン』は、昔あったことを今語るという形式のように思いますが、回想ですので、いろいろなことがあいまいなのが普通です。では、作品の中で今起きている出来事を詳細に書いては不自然でしょうか。

編集部より

中島さんからの回答

回想ですから、すべて細かく記憶しているわけではなく、『樽とタタン』の中でも、長いセリフのあとに、〈そんなようなことを、学生さんはぶつぶつ言っていたように覚えている。〉と書いたりしています。
ただ、小説というのは、考えてみると不自然なもの、創造物です。一般的に、小説の状況は詳細に書かれるものです。わたしは気にしていません。

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情景描写などで、町の建物や草木植物の名前、場面に配置されている名詞を挙げ連ねたいのですが、目に写るものの名前すべてを知っているわけではありません。資料はどうやって探せばいいですか。また、資料不足でわからないところを書かなければならないとき、うまいごまかし方があれば教えてください。

あるか さん

中島さんからの回答

植物図鑑を一冊買う。あるいはネットで検索してみてください。写真がついていて、木や葉の形状、花が咲く時期、どういうところに生えているかなどが詳細に書かれています。町で見かける程度の植物なら、まず間違いなく載っています。なぜごまかすのか理由がわかりませんが、創作であれば何を置いてもいいのでは。

公募ガイド5月号

公募ガイド5月号では、中島京子さんに受賞に必要なものや、小説作法などについて伺っています。

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公募ガイド2018年5月号
特集 「小説新人賞 受賞の条件」

4月9日発売/定価630円