公募ガイド2017年11月号

  • 文芸

2017.10.05

特集

長編小説に挑むあなたをお助けします

長編になると途端に行き詰る。
そんな悩みを持つ人は少なくありません。
そこで今回は長編小説の書き方を特集します。
人はちょっとしたヒントで劇的に変わる。
書けなかった皆さんにそんな変化を!

SPECIAL INTERVIEW ①


中村 航(小説家)
Nakamura Kou

「知りたいこと」が長編を書く原動力になる!

-長編小説が書けない人は、最初にプロットを作ったほうがいいですか

そうですね。プロットを作ったほうがいいと思います。自分の頭の中にあることをプロットに書くんじゃなくて、プロットを書くことによって、物語をもっと大きく発想する、って考えたほうがいいです。

-オススメのプロットの作り方があれば教えてください。

ハリウッド映画のシナリオ理論では、全体を「3幕」で考えて、幕と幕の間にターニングポイントを入れる。それに加えて第2幕の真ん中にミッドポイントを入れる。
一番簡単に言えば、「これからどうなるの?」という山場を、全部で3つ作る、ってことです。
これを前もって考えるだけで、構成がだいぶ見えてくるのではないでしょうか。

 
-中村さんご自身は、プロットを作っていますか。

話の流れが見えているなら、作らないことも多いですね。
本番の文章を書きながら、次のシーンはこういうことを書こう、そのもっと先にはこういうセリフを入れよう、などと思いついたときは、今書いているところの数行先にそれらをメモしておきます。
そこまでたどり着いたら、またその続きを書く……といったことを繰り返します。


-長編を書いて途中で挫折する理由は何だと思われますか。

今回の『無敵の二人』もそうでしたが、自分がわからないこと、知りたいと思うことを書くと、長く書けます。
知っていることだけで書こうとすると、どうしても世界が小さくなって、書けることが限られてしまうんです。

(インタビュー抜粋)

SPECIAL INTERVIEW ②


尾崎 将也(脚本家・映画監督・小説家)
Ozaki Masaya

長編が行き詰る原因は抽象的なプロットにあり!

-長編小説に挑戦しても、最後まで書ききれない人が多いのは、なぜだと思われますか。

10年以上、脚本の教室で教えていますが、生徒のプロットを読むと、「そして2人は愛を育はぐくんでいく」など、具体的に膨らませるべき箇所を1行で済ませている場合が多いんです。
愛がどう育まれていくかを抽象的にしか考えていないから、書いている途中で立ち往生してしまう。あらすじは抽象化してコンパクトにすることができますが、プロットは脚本や小説を実際に書いていくための設計図ですから、それなりの文字数が必要です。
今回の『ビンボーの女王』のプロットはラストまでは書きませんでしたが、400字×18枚程度になりました。

-どうすれば具体的に考えられるようになりますか。

生徒とプロットの話をしていて、「じゃあ、この次どうなるの?」と聞くと、「ここがああなってこうなってこれを表現したい……」と長々と説明するんです。一言で言えない。こうなるのは、ストーリーをきちんと考えていないから。
まずは、1行1行「次はこうなる」と説明できるようにプロットを作っていくことです。面白いかどうかはその先の話です。

(インタビュー抜粋)

CONTENTS

これで初挑戦のあなたも書ける!
長編小説1年計画

短編なら書けるのに、長編になると完結させられない。
プロットを作っても挫折する。
そんな長編初心者のために、小説の作り方をナビゲート!

事前準備

初挑戦でも書けるプランを立てよう

・長編だとつまずくその原因を探る
・初めて長編を書く人にオススメの手順

物語の設計1

ほとんどの問題は構成の仕方にある

・その前に、設定とあらすじを考える
・長編には必須のサブプロット

物語の設計2

プロットを作れ!できるだけ詳しく

・物語にはリバーサル、逆転の要素が必要
・ストーリーの複雑化と勢いをつける見せ場
・長編初心者でも失敗しないプロットのコツ

物語の設計3

書く前に考えられることは考えつくす

・どの順に語るかも事前に考えること
・その行動は必然か、整合性はつくか
・後出しはダメ 伏線を張る
・ノーベル文学賞作家・ガルシア=マルケス 『物語の作り方』に学ぶ作りこみ

物語の設計4

誰がどう語るか人称と視点の基本

・長編を書くなら、三人称がオススメ
・内容によっては、一人称でもいい
・他視点を選ぶなら、創作上の理由から
・こんなことやってない?視点のブレ、NG例文集

執筆にとりかかる1

長編には長編の文章作法がある

・長編と短編では文章のあり方が違う
・長い場面も長い説明もいいが、むだは削る
・書きすぎないこと 急ぎすぎないこと
・ここで差がつく!プロのセリフ例文集

執筆にとりかかる2

長編でも細部まで手を抜かないこと

・下手だから迷う うまくても迷う
・文章を書く手が止まるケース
・書いたあとで気づく 場面の書き方の落とし穴

推敲

最後のひと手間で原稿は劇的に変わる

・200枚の作品なら最初は220枚書く
・最後の見直し4大ポイント
・推敲チェックリスト
・INTERVIEW 柏田道夫先生に長編のコツを聞いた 短編の集合体が長編 決して難しくない!

巻頭インタビュー「YELL」

 
Vol.032

芦沢 央(小説家)

自分が凡人であることを受け入れたのが私の転機でした。常に自分を疑い続けることが大事だと思います。

Profile
小説家。1984年東京都生まれ。千葉大学文学部卒業後、出版社勤務を経て、2012 年『罪の余白』で第3 回野性時代フロンティア文学賞を受賞。同作は15 年に映画化され話題となる。その他、『悪いものが、来ませんように』『いつかの人質』『許されようとは思いません』『貘の耳たぶ』など、著書多数。

『バック・ステージ』
(KADOKAWA /1500円+税)

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