公募ガイド2018年5月号

  • 文芸

2018.04.09

特集

小説新人賞 受賞の条件

小説新人賞を受賞したいのはやまやまだが、それ以前に予選を突破し、最終選考まで行かなければ話にならない。
そのためには何が必要なのか。小説の初心者をも想定し、ハードルの越え方を解説していこう。

SPECIAL INTERVIEW

中島京子(直木賞作家)
Nakajima Kyoko

「一番書きたいことを書き切って」
 
―受賞するのに必要なものは?

「この人がすでにプロの小説家だったなら、この作品でもまったく問題ないのに」と感じるものも。
でも、その作品で新人賞をとれるかとなると、それはまた別の話です。新人賞でデビューしようと思ったら、やはり”強いもの”がないと難しい。それしか、ほかの人と差をつけられるポイントがないんです。

―”強いもの”とは今までにない新しい作品ということ?

本当に書きたいもの、得意なことを大事にして書くことです。新人賞ではよく「これまでにない作品を」と言われますが、無理やり奇想天外な筋を作ろうとすると破綻しがちだと思います。
今はたいていのものはやり尽くされていて、新しいことなんてほぼないわけです。だからこそ、自分の中で一番大事にしているものを追求することで、その人らしい、オリジナルの小説ができるのではないでしょうか。

 

 

 

保坂和志(芥川賞作家)
Hosaka Kazushi

「選考委員は、みんな違うものさしを持っている」
 
―選考会では各候補作に各選考委員が〇×△をつけて臨むとか?

選考委員は4人か5人のことが多いですが、その中で2票とれればまず受賞です。選考委員が4人いる場合は〇1つ、△1つで受賞。
5人の場合は〇1つ、△2つで受賞。×は2人までいても問題ない。絶対〇という人が1人いて、その人が最後まで譲らなかったら×の人は折れるんです。みんながみんないいという作品はまずない。みんな違うものさしを持っている。

―選ぶ基準が違う?

僕の場合は最後まで楽しく読めるものは2編しかない。ほかは「なんでこんなもの選んだんだよ」と思うものしかない。ところが、ぼくが「なんでこんなもの」と思ったものに〇をつける人がいるからびっくりなんだよね。それぐらい別々の基準で選んでいるんです。

(インタビュー抜粋)

CONTENTS

書くことは楽しいか

完結しなければ始まらない

小説家になりたいのなら小説を書かなければならない。
小説を書く楽しさを知って、まずは書き続けよう。

・「書いたら書けた」があるのが作家の道
・楽しくなければ書き続けられない
・マニュアルには使い方がある

アウトラインは決まっているか

概略を決めたら、流れに任せる

ぶっつけ本番のようにして書く場合も、ノープランではない。
まずはざっくり概略を考えよう。

・初心者のうちはプロットを作ろう
・書き出したら、自然な流れに乗る
・第一稿は前に進む、完成度はあと回し

小説になっているか

ルールはないようで、ある

「小説になっている」と言われるための基本中の基本、
描写で書くことと物語の視点について知っておこう!

・ありありと感じがわかるのが描写文
・形あるものの描写、ないものの描写
・誰の視点なのか、意識して書く
・誰が語り手かも自覚しておこう

自分の文体はあるか

最後は文体が大きな差を生む

文体はこれまであまり注目されてこなかったが、自分だけの文体が持てたら大きな武器になる。文体を持とう。

・文体とは文章のスタイルのこと
・意味は同じでも、書き方は百人百様
・これからは文体が人との差になる
・人と違うのなら、うまくなくていい

どこに応募するか

欲しい賞より合った賞を

応募するべき賞は自分に向いた賞で、向いているかどうかは
自分を知らなければならない。あなたに向いた賞は?

・純文学系か、エンタメ小説系か
・選考委員の感想を想像してみる
・得意ジャンルと作品の完成度
・書きたいものしか書けない

【ジャンル不問の地方文芸賞と入選のポイント】

【最近の芥川受賞者と掲載した文芸誌】

予選を突破できるか

小説になっていれば1次は通る

予選は誰がどのように選考するのかを取材し、
予選を突破するにはどうしたらいいかを考えてみた。

・1次選考で9割が脱落
・予選委員は読みのプロ
・3次、4次……はうまいのは普通

受賞者となれるか

オンリーワンであること!

受賞の条件を知るには選評を読むのが一番。
そこでここでは過去の選評を厳選して紹介。

【特別授業】小説作法 基本のき

「小説になっていない」と言われないために

教え子の中に作家デビューした学生が何人もいる、
伊藤氏貴 准教授 文芸評論家の伊藤氏貴先生に小説のコツを聞いた。

・今までにない何かが求められる
・書くためには、深く読むことが必要
・描写をすること、観察をすること

巻頭インタビュー「YELL」

 

Vol.038

海野 つなみ(漫画家)

人に届くキャラクターは「自分ならどうするか」を考えることで生まれる。

Profile
中学2年生で「なかよしまんがスクール」に投稿を開始。
1989年、『お月様にお願い』が「なかよしデラックス」(講談社)に掲載され、大学入学直後にデビュー。
2015年、『逃げるは恥だが役に立つ』で第39回講談社漫画賞少女部門を受賞。


NHKドラマ10「デイジー・ラック」
毎週金曜 22:00 ~ (4/20 放送開始予定)
 

『新装版デイジー・ラック』全2巻
(講談社/429円+税)

 

バックナンバー

公募ガイド2018年4月号

3月9日発売/定価630円

特集:テクニックで君の文章はもっと輝く!

>詳細を見る

>公募ガイド電子版(有料会員電子版会員限定)