【特集INTERVIEW 番外編】 藤平久子(脚本家)

  • 文芸

2019.08.08

【特集INTERVIEW 番外編】 藤平久子(脚本家)

撮影:賀地マコト

特集INTERVIEW 番外編


藤平久子(脚本家)
ふじひら・ひさこ。大阪生まれ。雑誌記者を経て脚本家に。「いよっ!弁慶」「魔法×戦士マジマジョピュアーズ」「Missデビル 人事の悪魔・椿眞子」「探偵が早すぎる」など、脚本・共同執筆を含め作品多数。現在、NHKドラマ10にて「これは経費で落ちません!」が放送中!
9月号の特集では、脚本家の藤平久子さんにインタビューしました。その番外編をお届けします。
 
よくも悪くも、自己完結できない

シナリオライター(脚本家)とライター(記者)には、似たところがあります。

類似点1 締切がある


映画やドラマには公開日があり、新聞や雑誌には発行日があります。これはずらせません。「ちょっと体調が悪いので、次号の公募ガイドは発売を3日延期できません?」なんて言ったら殺されます!

撮影が天候で順延になっても、役者のスケジュールの都合で伸び伸びになっても、デッドラインは変えられませんから、まあ、徹夜してでもやるしかないわけですね。
 

類似点2 広告主がいる


その昔、銀行員が横領した事件があり、そのことを某新聞社は知っていたのですが、問題の銀行がメインバンクだったためにスクープできなかったということがありました。
そういう大人の事情とか忖度とか、ままありますね。

映画やドラマでも、たとえば、スポンサーが洗剤の会社だったとして、その場合は洗剤を批判するようなセリフは避けるはずですね。中身を削るわけです。
逆に、スポンサーや撮影協力の関係で、土地の名物を入れなければならないということもあるでしょう。この場合は中身を足すわけです。
 

類似点3 得意なことだけやるわけではない


たとえば、雑誌ライターが「仮想通貨」について取材してほしいと言われたとして、「仮想通貨なんてよく知らないし、興味もないからやりません」と断ることもできますが、好きな仕事しかしなかったら食っていけませんので、プロのライターはそのつど調べて、勉強して、なんとかこなしていきます。

脚本家も同じで、「AIをテーマになんか企画して」というオーダーがあったとして、「面白くなさそう。やだ」なんて言っていたらやっていけません。「よく知らないけど、面白そう」となんにでも興味を持つ人でないとだめですね。
 
脚本家に必要な、資質と環境とは?

脚本家になるためには、資質と環境が必要です。

資質というのは、とにかく脚本が書きたいという意欲ですね。好奇心と言ってもいいです。
もちろん、創作力や発想力も必要ですが、その前に、アグレッシブでポジティブな気持ちがないと何も始まりません。

たとえば、全く興味のない分野の仕事がまわってきたとき、
「やりたくねえ、誰かやってよ」と思うか、
「チャンスだし、自分の引き出しになる」と食いつくか。
伸びるのは後者です。

脚本家の場合、資質だけでは難しい面があります。
自分だけのペースでは書けないからです。
撮影は深夜に及ぶことも少なくないそうですが、なんらかの都合で、あるシーンの舞台が「海辺」から「湖畔」に変わったとします。
当然、シナリオも変わってきます。
脚本家が現場にいれば、その場で書き直してもらうでしょうし、いなければ連絡して、
「設定が変わったので、至急書き直して。できれば今日中」
と言われたりします。

だから、フットワークがよくて、迅速に対応してくれる人が求められます。
電話してもつながらないとか、平日は仕事しているから無理という人の場合は、もう次の仕事はないかもしれません。

しかし、脚本家がいなければ映画もドラマも作れませんから、確実に需要はあるのですね。
プロになるにはハードルが高いところはありますが、逆に言えば、比較的ライバルが少ないので、本気の人にはチャンス! 本気の人しかなれない仕事でもあります。

(ヨルモ)


これは経費で落ちません

藤平久子さんは3話・5話の脚本を担当!
ドラマ10「これは経費で落ちません!」
毎週金曜22:00~22:49(NHK総合)

 
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