【特集INTERVIEW 番外編】浜ロン(お笑い芸人)

  • 文芸

2020.07.09

【特集INTERVIEW 番外編】浜ロン(お笑い芸人)

撮影:賀地マコト

INTERVIEW 番外編


お笑い芸人 浜ロン
1973年生まれ。NSC東京1期生。コンビを組むが、2006年11月解散。ピン芸人のかたわら、くりいむしちゅー上田晋也の付き人も経験。4年前から始めたツイッターの「ダ名言」が話題。
8月号(7/9発売)の巻頭では、お笑いタレントの浜ロンさんにインタビューしました。
ここでは、編集部によるその番外編をお届けします。

 

 
ツイッターで4年続けている「ダ名言」がブレイク

浜ロンさんを初めて見たのは、日本テレビ系列「月曜から夜ふかし」。前説芸人でありながら本編にも登場したときのことだ。
超早口で「安室奈美恵」と言うギャグを披露していました。ただ名前を早く言っただけなのに、なんか面白いと笑ってしまいました。

この浜ロンさんは、くりーむしちゅーの上田晋也さんの運転手をしていました。芸人になったときはコンビでしたが、今はピン芸人として活躍しています。
それもただのピン芸人ではなく、最近はハト派芸人を標榜しています。

「ハト派芸人」と名乗るようになったいきさつが面白い。
2015年の秋、浜ロンさんは上田さんに言われたそうです。
「○○芸人の○○を考えておけよ。年末までの宿題な」
確かに、家電芸人とか、歌うまい芸人とか、なんか特徴があるといいですね。自分のキャッチフレーズにもなるし、テレビ局も使いやすいでしょう。

でも、家電に詳しくないのに家電芸人を名乗っても、すぐに化けの皮がはがれてしまいます。
ということで、浜ロンさんは周りにいる親しい人たちに、自分のよいところと悪いところを聞きまわり、最終的に自分のことを「闘わない」「無理しない」「自分を守る」ハト派芸人だと認識します。

自分を見つける。これ、意外とできないですよね。浜ロンさんもこれまでなかなか見つからなかったそうですが、それは自分の外側に答えを求めていたからです。
メーテルリンクの『青い鳥』じゃないけど、求めているものは意外と近くにあったりするものです。
今回の『ダ名言』も、自分の強い部分をずっとやり続けた結果、生まれたものなんですね。

 
『ダ名言』は、脱力系の坂口安吾!

又吉直樹さんは小説、バカリズムさんは脚本を書きますが、お笑い芸人の方は仕事柄、言葉に敏感で、文章を書かせてもうまい人が多い気がします。
浜ロンさんの文章は読んだことがなかったですが、「月曜から夜ふかし」で『ダ名言』が紹介され、マツコ・デラックスさんが、「向いてるんじゃな~い?」と言ったとき、私もテレビの前で、「うん、そんな気がする」と直感で思ったのでした。

浜ロンさんは、坂口安吾が好きなんだそうです。
渋いですね。太宰治と並ぶ無頼派の作家です。

親がなくとも、子が育つ、ウソです。親があっても、子が育つんだ。
(坂口安吾「不良少年とキリスト」)

なんだか、心なしか、『ダ名言』と雰囲気が似ているような?

浜ロンさんはお笑い芸人だから、シンプルに笑えるような「ダ名言」も多いです。
たとえば、こんなもの。

ウソひとつまともにつけないなんて、信用ならんやつだな。
(浜ロン『ダ名言』)

確かに、そのとおり。いつも本当のことばかり言う人は迷惑ですし、優しさがないですね。人として信用できません。
こういうのもあります。

諦めたら楽でした。
(浜ロン『ダ名言』)

これは「ダ名言」というより、普通のアフォリズムですね。
太宰治の『もの思う葦』に収録されていてもおかしくない気がします。
ただ、太宰治も坂口安吾も、成長期にある人には向きません。
若い方は、多少無理でも理想を掲げて頑張ってほしいです。
浜ロンさんも若い頃はしゃにむに頑張ってきました。

でも、これ以上ないくらいすでに頑張っている人が『ダ名言』を読むと、ほっとするんですね。そんなゆるい感じでいいのね、と肩の荷が下りるんですね。
公募や創作で頑張り続けている方も同じです。

夢を諦めたからといって、
楽しむことを諦めた
わけじゃないですからね。
(浜ロン『ダ名言』)

たまには、こんな「ダ名言」を読んで、癒やされて、なごんでください。

(ヨルモ)




『ダ名言』(主婦の友社・1200円+税)

2016年4月からほぼ毎日、ツイッターに「ダ名言」を投稿。「ダ名言」は、「努力は裏切らないらしいですけど、私が努力を裏切るんですよね。」のようなダメな名言。ゆるい感じの中に真実が見え隠れし、コロナブルーの中、「癒やされる」「なごむ」と話題に!
  
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