特集 特集 平成生まれ初の直木賞作家 朝井リョウ大特集

  • 文芸

2019.05.09

特集 特集 平成生まれ初の直木賞作家 朝井リョウ大特集

撮影:賀地マコト


鮮烈なデビュー作だった『桐島、部活やめるってよ』

朝井リョウさんは、2009年、『桐島、部活やめるってよ』で小説すばる新人賞を受賞し、デビューしました。
タイトルだけ見ると、若い作者が実体験を書いた熱い青春小説と思ってしまいそうです。
でも、全然違います。成長物語的な熱血青春小説ではありません。

この小説の意外なところは、桐島というバレーボール部のキャプテンが作品に登場しないこと。これには「そうなの?」と思いますよね。
「桐島、部活やめるってよ」という噂では語られますが、桐島本人は出てきません。
周りを書くことによって、中の輪郭を浮かび上がらせようという手法です。
芥川龍之介の『藪の中』を彷彿とさせますね。

 
一見、普通に見えて、実は新しい小説『何者』

朝井リョウ作品の特徴は、普通の小説のふりをして、実は新しいということ。
たとえば、直木賞受賞作『何者』の選評で、選考委員の伊集院静さんはこう書いています。
「一読、凡庸な作品では? と思った」

ところが、終盤、一気に畳み込んで話が変わり、本当のテーマが見えてきます。
朝井リョウさんは、今回の弊誌のインタビューの中で、
「最後に一番きれいに燃えるようにずっと薪をくべている感じ」と答えています。
未読の方は、絶対に中盤で投げ出さず、最後まで読んでくださいね。

 
朝井リョウから盗めるテクニックはあるか?

朝井リョウさんといえば、とりわけ人物造形のうまさに定評があります。
その秘訣は? 朝井リョウさんはこう言っています。

「体形や年齢、性別が違うと、同じ景色でも受け取る情報は少しずつ違う。そこをすくい上げ、この人物はこの景色のどこに反応するんだろうと想像することで、人物が立ち上がる気がします」

たとえば、ケガをしてしまったとして、普通の人は「不運だ」と思うことでしょう。
でも、日頃モノを書いている人は、不運だと思いながらも、「ああ、これで一本、何か書けるなあ」と思ったりしますよね。

そういうその人(この場合は書いている人)ならではの受け止め方をすくいとると、
「うーん、モノを書いている人っぽいなあ」
と思われるというわけですね。

今回の特集には、このような創作術が満載です。
これを読めば、あなたの作品がよりテクニカルに、そしてより深まります!

〔内容〕
●朝井リョウって何者?
・学生作家 在学中に作家デビュー
・直木賞 戦後最年少受賞者
・作風 エンタメにして純文学

●朝井リョウに学ぶ創作術
・人物造形 どんな年代でも書ける
・着想 予想を裏切る
・説明とリフレイン くり返して強調する
・オーバーラップ 重層的な描写
・重構造 テーマが深まる
・比喩 読者を目覚めさせる
・映像化 『チア男子!!』に学ぶキャラクターと設定

(ヨルモ)


 
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【特集】朝井リョウ大特集
【INTERVIEW】朝井リョウ(直木賞作家)/橋本光二郎(映画監督)
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