【巻頭INTERVIEW 番外編】木内 昇(直木賞作家)

  • 文芸

2019.08.08

【巻頭INTERVIEW 番外編】木内 昇(直木賞作家)

撮影・古本麻由未

巻頭INTERVIEW 番外編


木内 昇(直木賞作家)
きうち・のぼり。1967年生まれ、東京都出身。出版社勤務を経て、2004年に『新選組 幕末の青嵐』でデビュー。11年『漂砂のうたう』で第144回直木賞、14年『櫛挽道守』で第9回中央公論文芸賞、第27回柴田錬三郎賞、第8回親鸞賞を受賞。他の著作に『ある男』『球道恋々』『火影に咲く』など。
9月号の巻頭インタビュー「YELL」では、小説家の木内昇さんにご登場いただきました。その番外編をお届けします。
 
江戸を舞台にした7つの奇譚
好きな作家の作品を装画にリクエスト

築地にある朝日新聞東京本社で小説家の木内昇さんのインタビューをさせていただきました。朝日新聞出版より7月に発売された短編集『化物蝋燭』。2010年から2018年に発表された、江戸時代を舞台にした7つの作品が収録されています。

作品に共通するものがあるとすれば奇譚ということ。

「江戸時代って狐狸妖怪というか、不思議な世界と隣り合わせにあるという感覚が市民の間に根づいていたと思うんです。暗闇にはお化けや妖怪がいるのではないかというような感覚。このような感覚を信仰していたわけではないけど、日常として感じとっていたんだと思います。そこに江戸時代の人たちの面白さというか、想像力の豊さがあるような気がしますね」

タイトル作である『化物蝋燭』の世界観とぴったりと重なっている装画は、きりえ作家として活躍した故・滝平二郎さんの作品。じつは木内さんから滝平さんの絵を使用したいというリクエストがあったそう。
「絵本の『モチモチの木』を小さい頃に読んでいました。滝平さんのきりえがとても印象に残っていたので、装画として使わせてもらえないかとお願いしました。今回の出版はとても贅沢させていただきました(笑)」
好きな人の絵を使うからには、内容的にもふさわしいものにしないと意気込まれたようです。

 
好きなものを作り続けたら
結果として作家に

もともと雑誌が好きだったそうで、大学卒業後は出版社に就職した木内さん。編集者の“本当に好き”という熱意が伝わってくる雑誌や世界観や雰囲気を持っている雑誌が好きだったそう。

自分の好きなものを世の中に紹介したいという気持ちが人一倍強く、それが高じて、会社で作っていた雑誌とは別に、自ら『spotting』という雑誌を立ち上げることなる。きっかけは同時期にデビューしたアーティストの中村一義さん。才能を感じて、ぜひインタビューしたいと思ったそう。雑誌の記念すべき1号は、中村一義さんのほか気になる人をインタビューした記事を収録している。

「休日を使って、肩書や会社のコネを使わず、1冊だけ作ってみました。1000部限定だったけど全部売り切れになりました。続ける予定はありませんでしたが、次いつ出るのと聞かれることが多かったので、季刊誌として続けていくことにしました」

その後、執筆の仕事が増えて、ライターとして独立。小説家となった今も雑誌『spotting』で積んだインタビュー経験が生きているそうだ。どのように生きているか、また小説家としての木内さんの考えは、公募ガイド9月号をチェックしよう。

(ヨルモ)

  • 『化物蝋燭』
(朝日新聞出版・1600円+税)
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