入賞作品から学ぼう!「エッセイ公募」

2019.02.21

公募ガイドONLINEでは募集中のコンテスト情報だけでなく、結果発表についてもご紹介しています。今回取り上げるのは「エッセイ公募」。エッセイで重要な書き出しと終わり方のポイントを探ります!

 

【1】状況を説明してオチをつける

[書き出し]

横浜に住む孫息子とは、運動会や夏休み冬休みなど、折々にことよせて行き来するのが楽しみだった。それが中学生になった頃から交流の機会も対話もとんと無くなった。

[終わり方]

帰りの電車の中で、女房にいい土産話になると思った。だがふと、「あんたばかりいい思いをしてさ」と焼き餅を焼きそうな気もした。抱擁されたことは秘密と決めた。

(二十四の瞳岬文壇エッセー募集 最優秀賞 「ブラボーな抱擁」 山本魁さん)

人間関係や状況の説明から書き出すパターンです。最初に状況を把握できるので、その後の内容が理解しやすくなりますね。終わり方はオチがあるパターン。なくても話は成り立ちますが、オチがあることで楽しくほっこりとした読後感に。

 

【2】セリフで始めまとめで終わる

[書き出し]

「帯は俳句といっしょで季語が要る」とは、米寿を迎える祖母の言葉だ。着物は帯で季節感を表す。春なら雛や桜、秋なら紅葉やすすき。私は祖母の後ろ姿で、季節の移ろいを感じて育ったような気がする。

[終わり方]

それでも私は帯結びをあきらめない。それは、帯という一枚の川のなかに、どれだけの心と手と時が入っているか、知っているからだ。

(「帯にまつわる話」エッセイ募集 大賞 「受け継がれる帯」 T.T.さん)

セリフから始まるパターンです。突然セリフから始まるので、インパクトがあり印象的。セリフの後に「祖母の言葉だ」など説明が書かれているので、混乱せずに読み進めることができます。終わり方は「どれだけの心と手と時が入っているか」と全体をまとめるパターン。まとめといっても一文で全体を表現しているので、くどくなくさらっと終わっています。

 

【3】始まりも終わりも同じセリフ

[書き出し]

「自分が決めたように、やりなさい」

間髪入れずに返ってきた、思いもよらない父の言葉に、一瞬戸惑った。いつも私がすることについて静観していた父だったが、今回ばかりは何か意見すると思ったからだ。

[終わり方]

「自分が決めたように、やりなさい」

自分が決めたことは最後まで責任をもってやりとげるということ、これは父からのエールであり、最後に交わした大切な約束だ。

私は看護教員だ。私は父のたった一人の娘だ。いつかまた逢える日まで、あの言葉を追い風に走り続ける。

(志布志市「志」エッセイコンテスト 志大賞「エール」阿部喬子さん)

書き出しも終わりも「自分が決めたように、やりなさい」という同じセリフが使われていて印象的です。さらに、同じセリフを使っていますが、その後の説明が異なるので書き手の心情や状況の変化が際立ちます。

 

【4】書き出しと終わりが対になっている

[書き出し]

珈琲を飲んでいます。小学生の娘が流れてくれました。苦く、一生懸命な味です。

仕事ばかりしていて、帰宅はいつも二十二時過ぎ。日付けが替わってしまうこともめずらしくありません。

[終わり方]

仕事は大事。だけど家庭はもっと大事。娘が初めて淹れてくれた珈琲の想い出です。

今では、仕事を色々と工夫し、早く終わらせ、帰宅するようになりました。

(「珈琲のある風景」エッセイコンテスト2018  金賞「たまらなく可愛い笑顔」尾藤寛さん)

書き出しと終わり、どちらも仕事の帰宅時間について書かれていて、対のよう。最後に書き出しの内容に戻っているのでまとまりが良いです。また、同じ内容のためどのような心情変化が起きたのか比較しやすいですね。

 

いかがでしたか? ぜひ、エッセイ作りの参考にしてみてくださいね。

 

 

二十四の瞳岬文壇エッセー募集
https://www.koubo.co.jp/result/literature/essay/031818.html

「帯にまつわる話」エッセイ募集
https://www.koubo.co.jp/result/literature/essay/039864.html

志布志市「志」エッセイコンテスト
https://www.koubo.co.jp/result/literature/essay/042766.html

「珈琲のある風景」エッセイコンテスト2018
https://www.koubo.co.jp/result/literature/essay/041266.html

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