第9回「忘れられない看護エピソード」結果発表!

2019.06.06

応募総数2,629 作品!

厚生労働省と日本看護協会が開催した第9回「忘れられない看護エピソード」の受賞作品が決定しました。

同コンテストは、「看護の日・看護週間」にあたり、看護の現場や日常の中で体験したエピソードを募集したもので、今回は2,629 作品が集まりました。

■最優秀賞
【看護職部門】「部屋の模様替え合戦」 後藤史保子さん(34歳・岐阜県)
【一般部門】「お母さん」 藤本清美さん(42歳・山形県)

■内館牧子賞

【看護職部門】「坊主頭とドライヤー」 佐々木淳子さん(52歳・広島県)
【一般部門】「真っ白なジグソーパズル」 三品麻衣さん(34歳・東京都)

 

最優秀賞・一般部門 「お母さん」 藤本 清美さん 42歳 (山形県)

15年前、陣痛で苦しむ私に、「お母さん頑張れ! お母さん頑張れ!」と、何度も言うナース。私はたまらず、「死んだ子を産むんだから、私、お母さんじゃない」と、泣きながら叫んだ。すると、「何言ってるの! 赤ちゃん産むんだからお母さんでしょ!」と、泣きながらそのナースも叫んだ。そして、静かに赤ちゃんが産まれた。男の子だった。

1年後、全く同じやりとりをして2人目の子も死産となった。女の子だった。解剖が終わった娘をあのナースが連れてきてくれた。

「とっても美人さんね。お顔にはメス、入れてないからね。はい、お母さん」と言って、娘を私に抱かせてくれた。

「またおいで! 妹でも! 弟でも! ねっ! お母さん! 信じて!ねっ! 生きてね! お母さん!」

あのナースに、私は何度も「お母さん」と呼ばれた。赤ちゃんはいないのに「お母さん」。にせものの「お母さん」だ。

次の年、妊娠した。この子も死んじゃうかも、という不安はあのナースが吹き飛ばしてくれた。「これが、心臓よ! お母さん!」

「今日はいよいよ性別判明の日ね! お母さん」。あのナースは、うるさいくらい私のことを、「お母さん」と呼んだ。「お母さん」と呼ばれるのがあんなに嫌だったのに、なんだかだんだん心地良く感じてきた「お母さん」という響き。そして産まれた。

「3人目のお子さん! 女の子ですよ! お母さん!」。あのナースはわざわざ「3人目」と言ってくれた。うれしくて泣いた。

娘が「お母さん」と私を呼ぶ。娘のお友達が、「イオちゃんのお母さん」と私を呼ぶ。もう15年も呼ばれているけど、毎回うれしい気持ちになるのは、天国の2人と、産まれてきてくれた娘のおかげ。あと、私を信じて、私のことを「お母さん」と呼び続けてくれたあのナースのおかげ!

ありがとう! あのナースさん!

出産について描かれた作品です。藤本 清美さんとナースさんの会話や、「お母さん」という言葉が胸に響きますね。

入賞20作品をパネル展示中!

同コンテストの入賞作品は様々な場所で楽しむことができます。日本看護協会ビル内「JNA プラザ」では、今回の最優秀賞、内館牧子賞、優秀賞、入選の合計20 作品をパネル展示しています。ご来場の方には、入賞作品集を贈呈! 6月28 日(金)まで開催しています。

また、展示会へ行けない方にも作品集のプレゼントをしています! 詳細は下記URLからご確認ください。

さらに、楽曲・映像としても作品を楽しめます! 今回は一般部門で内館牧子賞を受賞した「真っ白なジグソーパズル」を楽曲・映像化。日本看護協会ホームページで視聴できます。

 

いかがでしたか? ぜひ、展示会やWEBサイトに訪れてみて下さいね。

(ライター 香山衣美)

<情報>
【主催】厚生労働省、日本看護協会
【応募数】2,629点(看護職部門835点、一般部門1,794点)

第9回「忘れられない看護エピソード」結果発表
https://www.nurse.or.jp