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地図情報などが使いやすく便利になる! 国土地理院 Geoアクティビティコンテスト

2022.05.20


国土交通省国土地理院では、「Geoアクティビティコンテスト」を実施中。地図などの地理空間情報の利活用に関する魅力的な「取り組み」、新しい「アイデア」、独創的な「サービス」などを募集しています。書類審査を通過すると、12月6日、7日に東京都立産業貿易センター浜松町館で開催される「G空間EXPO2022」のブースで作品を展示、発表できます。

「G空間EXPO」の一環として実施

「Geoアクティビティコンテスト」は、地理空間情報を活用した作品を募集しています。これは地理空間情報と衛星測位の利活用を推進する場として開催されるイベント「G空間EXPO」(主催:G空間EXPO運営協議会)の一環として2012年からスタート。
このコンテストについて、国土地理院ご担当の方にお話を伺いました。

国土地理院 「G空間EXPO」ではよくある産業展のような形で企業の方にブース出展をしてもらいますが、ブースを借りると1コマ数十万円します。
大学、NPO法人、地方の小さい会社なども、地理空間情報について興味深い取り組みをされていますが、そうした団体、個人がブース出展するのは難しい状況でした。それであれば、優秀な作品やアイデアを募り、ブースを1コマ無償で提供し、東京(当初は横浜)で発表してもらおうということで始まりました。
2021年「G空間EXPO」での展示風景

応募要項には、「地理空間情報を活用した取り組みを行っている方であれば、団体、個人を問わず、どなたでも応募することができます」とありますが、個人での応募もあるのだろうか。

国土地理院 団体も個人も同等程度、応募があり、大学生、高校生からも応募があります。過去に参加された高校生では、部活動での参加のほか、個人での参加もありました。この生徒さんは授業で「測量」を学んだことが取り組むきっかけになったそうです。今年度から高等学校で「地理総合」が必履修化になったので、今後、応募が増えることを期待しています。

ところで、「地理空間情報」とは、端的に言うと、地図ということだろうか。

国土地理院 基本的には地図ですが、今はスマホでも位置が取れたりします。そうしたものも含めて地理空間情報としています。
以前あったものでは、エアロバイクを漕ぐと、それに合わせてgoogleのストリートビューが画面に映り、現地を走っているようにバイクを漕いでいけるという作品がありました。
これなどは地図ではないですよね。
ほかにもVRで地形を学ぶようなツールを作った会社もあり、これも地理空間情報ですが、全くの地図ではありません。
地図を中心に、位置、地形、地理などに関連しているものと考えればいいと思います。

応募者は、どんな目的、どんな効果を期待して応募する?

応募要項には、〈地理空間情報を活用した取組、アプリケーション、システム、機器、 端末、サービス、技術、地図成果、研究成果、活用事例、アイデア等を対象とします〉とありますが、全くの机上のアイデアでも応募が可能なのだろうか。

国土地理院 ものを作るのもお金がかかりますから、「こういうことをしたい」という形にはまだなっていないアイデアでも応募できます。
ただ、アイデアしかないものをわかりやすく展示するというのは難しく、展示イメージが本人にもないことが多く、なかなか予選を通過できないということがあります。
しかし、イメージ映像のようなものも、10年前に比べると個人で作るのも難しくなくなってきていますから、そうした形で展示ができるのであれば、選考を通過することもあり得るかもしれません。排除はしていません。

書類審査を通過すると、ブースで出展することができますが、実際に応募する方々はどんな目的で応募するのだろう。

国土地理院 大学の研究室単位で応募される方は、生徒さんにプレゼンの場数を踏ませるとか、大人に向かって説明し、質問されて答えるといった社会経験を目的に参加されるケースもあります。
また、G空間EXPOの出展者や来場者との交流ができることもメリットです。
ずいぶん前のことですが、ある会社さんが書類審査を通ってプレゼンをしたところ、たまたま来場していた地方公共団体の担当者の方が興味を持って、商品の契約につながったということもあったようです。
自分たちの商品を知ってほしい、違う分野の方の意見を聞いてみたいということで出展することが多いと思います。
Geoアクティビティコンテスト2021年表彰式

こんなアプリがあったら! わくわくする受賞作たち

書類審査を通過すると、12月6日、7日に東京都立産業貿易センター浜松町館で開催される「G空間EXPO2022」でプレゼンをするか、またはプレゼン動画で発表します。展示もできます。
こうした難関をくぐりぬけ、晴れて受賞した過去3年の最優秀賞作品を紹介しましょう。

2021年受賞作
UTM グリッド入りの英語表記登山地図―国内地形図を国際基準に―
任意団体「HokkaidoWilds.org」 代表 トムソン・ロバート
https://g-expo.jp/2021/geocon/award.html

トムソン・ロバートさんは北海道で大学の先生をしています。北海道のアウトドア系の仮想ツアー、外国人向けのサイトを運用する中で、UTMグリッドの技術と組み合わせて、外国人にも使いやすい地図を作りました。
UTMは日本の地図のように緯度経度で表示するのではなく、グリッドの格子状に表示されますので、パッと見で距離がわかります。そうした機能を外国人向け地図に追加しました。
縮尺に合わせて細かいグリッドが出てきて、拡大すれば1kmのグリッドが500mになったりします。アウトドアで地図を見る際、地図の下にあるスケールバーを指で測っていたような人も、これがあれば距離がすぐにわかります。トレッキングやハイキングが好きな人は絶対に欲しい機能です。

受賞者のトムソン・ロバートさん
2019年受賞作
UTM まいたいタッチ
九州産業大学 芸術学部 佐野彰
https://g-expo.jp/2019/geocon/award.html

続いて2019年の受賞作です(2020年はコロナ禍のため募集中止)。
「UTMまいたいタッチ」の「まいたい」はマイタイムラインという意味。
タイムラインとは、「いつ」、「誰が」、「何をするか」に着目して、防災行動とその実施主体を時系列で整理した計画のこと。これを個人レベルにしたものがマイタイムラインです。
マイタイムラインは、自分の住んでいる地域で大雨洪水警報が出たら「非常用持ち出し袋の場所を確認する」など、こうなったらこうするという計画を平時に作っておきましょうというもの。

マイタイムラインは、自分の住んでいる地域は〇〇川の浸水地域に入っているのか、周りに比べて地形が高いのか低いのかなどを理解しないと作れませんが、「まいたいタッチ」はこれを簡単に作れるプログラムです。

しかも、主にパソコンで使うことが多い地理院地図などを、ゲームのコントローラーを使って直感的に操作できるようにしています。「まいたいタッチ」の「タッチ」は、コントローラーを使うことで、まるでタッチパネルを操作するような感覚でマイタイムラインが操作できるという利点を表しています。

 

2018年受賞作
UTM 非線形全単射変換を保証する古地図アプリケーションMaplat
大塚恒平
https://g-expo.jp/2018/geocon/award.html

古地図や絵地図は南北の距離の比が一対一でなかったり、ひずんでいたりします。そういうものを簡単に画像変換して調整し、現代の地図に重ね合わせられるアプリです。

日本地図センターの東京時層地図などのように、古地図と現在の地図を重ね、GPSで自分がいる場所を表示させるアプリはほかにもありますが、そういうアプリは配信元が見つけた地図を表示できるだけです。

受賞作は、「この地図を重ねてみたい」という地図データを持っていれば、それを今の地図に重ねることができます。古地図を今の地図に重ねるのは難しい技術ですが、それを簡単にできるようにしたところが優れています。

東京は幕府があっただけあって古地図がたくさん残っていますが、神田、日本橋、浅草、本所、深川あたりを散策し、自分が古地図のどこにいるのかがわかったらわくわくしますね。

国土地理院 Geoアクティビティコンテスト

●賞:最優秀賞ほかを選出
●締切:

2022年6月20日(月)


黒田清
編集部等在籍35年。公募歴と創作研究歴だけは長い編集スタッフ。長年の研究と経験に即して創作のヒントをお伝えします。


出典:https://www.gsi.go.jp/chirikukan/chirikukan61014.html

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