公募を探す
リリースがゴールではなく、
ファンとつくり続けていく。

4年ぶり12枚目となるオリジナルアルバム『Double Circle』をリリースし、
ロングツアー「ORANGE RANGE LIVE TOUR 022-023 〜Double Circle〜」で
全国をまわっているORANGE RANGE。実はこのツアー中、NEWアルバムに収録している
「恋はRock’n’Roll」のライブバージョンの歌詞を全国から募集し、
ライブで披露している。いったいどんな歌詞が選ばれているのか、
また「創作」について、「公募ガイド」独自の目線でHIROKIとRYOに話を聞いた。


Profile

ジャンルにとらわれない自由かつ高い音楽性と、卓越したポピュラリティが話題となり、これまでにシングル23作、オリジナルアルバム8作をリリースし、数々の名曲を送り出し続けている。これまでのCD・DVDの売上が約1,300万枚にも及ぶ、言わずと知れたモンスターバンド。

お客さんも自分たちも、
退屈にさせない
―― 今回、「ORANGE RANGEがあなたのセリフを歌う『ロックな台詞』大募集!!」を開催した経緯について教えてください。
RYO「恋はRock’n’Roll」という曲は、歌詞自体にあまり意味を持たせないで、くすっと笑えるような歌詞で構成されているんです。そんなつかみどころのない曲を、毎回ライブでやっていく上で、ずっと同じセリフを言っていても、お客さんも飽きちゃうし、自分たちも楽しめるようなことがしたくて。
そこで、折角の全国ツアーだしお客さんから地方のあるあるとか送ってもらって、ライブごとに変えたら面白いんじゃない?というアイデアが出てきて歌詞を募集することになりました。
HIROKIもともと何かできたら面白いなとは考えていたんですが、「歌詞を募集する」というのは本当にギリギリに思い付いたんですよ。マネージャーと相談して、コンテストという形にしようってなってリハーサル期間の後半にバタバタで開催しました。
―― 急に募集したのが、かえってあまり考える時間を与えずよかったのかもしれないですね。
RYO確かに(笑)。初回の応募作品は、ライブ感ある台詞が多かったかも。
HIROKI突然のノリが「ロック」って感じしたよな(笑)。
――「ロック」な台詞を募集する本コンテストですが、どのような台詞が「ロック」だと思いますか。
RYO昔は、無茶をすること=ロックだと思っていましたね。自分の身を削っているようなイメージ。
HIROKI選ばれた台詞のなかで言うと「ガスコンロで除毛」みたいな。
―― リアルに身を削っちゃってますもんね(笑)。
RYOそうです(笑)。でも、今はロックの器みたいなものが大きくなってきていると感じていて。「具体的にこれ!」っていうものはないんですけど、なにか1本芯が通っているようなものにやっぱり惹かれますね。
HIROKI割とワード的に面白いものを選んでいるので、あまり深く考えすぎずに自由に作ってほしいですね。あとは、ご当地ネタがうまく入ってたら最高です。
コミュニケーション手段として、
コンテストを用いる
―― 実際に選んだ台詞をライブで歌ったとき、お客さんの反応はどうでしたか?
RYOそれが、お客さんは声が出せないのであんまりわからないんですよ。それに、音(バックミュージック)が大きくて盛り上がってくれているのかが、いまいちわかりづらいんですよね。
HIROKIそうそう。だから、改めてMCで「(会場内に)応募してくれた人いますか?」みたいなことを聞いたりしました。
―― そうなんですね。現地に結構いらっしゃっていましたか?
RYO意外とたくさんいましたよ! 実際に選ばれた台詞を応募していた人とかがいて、感動しましたね。
HIROKIまあ、ちょっと挙げづらい台詞もあったけどね。「乳輪大車輪」とか(笑)。
―― 確かにそれは自己申告しづらいですね(笑)。
RYOそうなんですよ(笑)。でも、そのあとのラジオで「現地には行けなかったんですけど、あれ応募したの私です」っていうお便りがきて。
HIROKIそうそう。そういうやり取りが、なんかファンと繋がっている感じがしてすごくよかった。MCとか、コールアンドレスポンスとかが満足にできないご時世だから、あまりコミュニケーションをとれている感じがしなかったんです。それが、この「コンテスト」という形を通じて、言葉をやりとりすることでファンと曲を作っていくことができたような気がします。ライブごとに違う曲になっていくのも面白いです。
―― ライブごとに曲が成長していくような感じですね。
RYO場当たり的な面白さもありますよね。台詞は当日のリハ後にNAOTOが決めているので、僕らは本番にならないとどれが選ばれたかわからないんですよ。
HIROKI決めた台詞を紙に書いて、足元のスピーカーに貼っておくんだけど「乳輪大車輪」だけめっちゃでっかく書いてあったときは、笑いをこらえるのに必死でした(笑)。
―― そんなの書いてあったら吹き出しちゃいますよ(笑)。
RYOいや~笑いこらえるのがつらかったですね。
―― 面白すぎますね~。今後も、コンテストを開催する予定はありますか?
RYOぜひやりたいですね! 楽曲とか作品のタイトルとか募集したら面白いかも。
HIROKI意外といいかもね。募集して、公募ガイドの方々に決めてもらおうよ!
―― ええっ! いいんですか(笑)。
HIROKIもちろんメンバーも応募しますよ。もし僕らの作品が選ばれたら、やっぱりセンスあるなってなりますし(笑)。
―― いいですね。すごく楽しそうです。その際は、厳正に審査させていただきますね(笑)。
「つくり続ける」には
―― コロナ禍でライブが出来ず、苦しい時期があったと思います。そんな中、つくり続けるモチベーションはどのように保っていたのでしょうか。
RYOそうですね。気分が落ちているときは「何で自分が混乱しているのか、不安なのか」ということを分析します。コロナ禍のときは、自分がなにをやりたいのかがわからなくなってしまって。とにかくなにか行動を起こそうと思って、ピアノを始めたんです。それまでは全く触ったことがなくて、どこがドの鍵盤?というレベルでした。
―― 意外です。音楽をやっている人はみなさん弾けるものだと、勝手に思っていました。
RYOですよね。わかります。全く触れたことのなかった楽器を始めて、すごく楽しくて。
それで「あ、やっぱり自分は結局音楽がやりたかったんだな」って気づくことができました。
HIROKIRYOは本当にストイックなんですよね。僕は反対に、なにもしなくても全然大丈夫な人間なんですよ。もちろん楽曲制作はずっとやっていたんですけど、「なにもしない」時間があっても全然平気だなって気づきました。立ち止まることは悪いことじゃないし、辛いときは逃げてもいいと思います。次の日の朝になったらなにか変わっているかもしれないぐらいの心持ちでいることが大切ですね。
RYO僕は自分にないものがわかっているので、それを補っていくように努力しています。やみくもにやっても、出来ないというのは今までの経験から学んできているので。
HIROKI立ち止まれない男なんですよRYOは(笑)。ストイックなの好きだもんね。
―― なんだかマグロみたいですね(笑)。
RYO確かにそうかもしれないです(笑)。2日以上は休めないですね。3日目には夕日が切なくなります。
HIROKI体づくりとかもやっているもんね。筋トレとか、食事管理とか。
―― アスリート並みですね。本当に真っすぐでかっこいいです。
メンバーでつくりあげていく
―― 長年活動をしてきて、厳しい評価を受けることもあったかと思います。そんなときはどう乗り越えていましたか?
RYOやっぱり個人でつくるものとは、評価の受け取り方が少し違うと思います。メンバーと共につくりあげてきた心強さがあるので、あまり落胆はしませんでした。
HIROKIそうですね。もちろん悲しくなるときもあるけど、仲間とつくったという自信があるので。自分のつくったものに自信を持つことが大事なのかもしれません。
―― 仲間がいるから強くなれるという感じですね。
RYOそうですね。ちょっと恥ずかしいけど(笑)。
HIROKI僕たち平日9〜14時だけ集まって作業するんですよ。その時間内で終わらせようという気持ちで。自分的には歌詞があとで見返したときに夜の恥ずかしいラブレターにならないように心がけていますね。もちろん、繋がりは強いけどバラバラだからこそよいものができることもあるので。
あとは、「否定しない」という共通部分を大切にしています。誰かがいったことを面白がって取り組む姿勢で活動しています。
―― 素敵ですね。今回のコンテストも、メンバー同士で面白がってつくった感じがすごく伝わってきます。
RYOどんな意見でも、前向きに聞かないとなにも成長しませんからね。「それいいじゃん!」という精神が大事なんだと思います。
――「楽しんでつくる」姿勢、とても勉強になります。最後に、この記事を読んでくださっている公募ガイドユーザーの方々にメッセージをお願いします。
RYO今はどんなところからもスターが生まれる時代です。シンデレラストーリーも夢じゃないと僕は思っています。自分の好きなことを信じて、この公募ガイドから夢に向かって大きく羽ばたいていってほしいです。
HIROKI僕は今回初めて「公募」の世界を知ったんですけど、なんかすごくいい(笑)。言葉にするのは難しいけど、雑誌や公募情報を通じて人と人とがつながっているのを感じられますね。公募ガイドを通じて、自分の世界を広げていってください。好きなことを続けられるって、すごいことだと思います。応援しています!