二十三杯目は、大学生とともにコピーを学ぶ

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2018.06.08

世の中のコピーは、どんな人たちが、どのように作っているのだろう? コピーライターであり公募ガイドスタッフのダイゴロが、日々のコピー作りについて語ります。

二十三杯目は、大学生とともにコピーを学ぶ

今回の舞台は、こちら!

 

第二十三回目は、中央大学多摩キャンパスにある教室からお送りします。なんと前回取材した飯田朝子先生の商学部ゼミ「買いたい気持ちに火をつけるコピーライティング」の授業に招待され、コピーライター・柴本純さんとご一緒にゼミ生たちのプレゼンを拝聴させていただきました! 自分がコピーライターの講座を受けていたのは社会人になってからだったので、大学でコピーの授業に参加するのは完全に初めて。まだ社会に出てない大学生たちが考えるコピー……ドキドキしながらも早速聞いてみることに。

まずプレゼンの前に「辞書引き活動」の発表会が行われました。第二十二回のインタビューで紹介した飯田先生の著書『広告コピーのことば辞典』(日経BP社)を引いて、印象的なコピーにナンバリングした付箋を付け、写経のようにコピーを書くという訓練だとか。毎週、出席を取る際にその中からコピー(「いいな」と思ったものや「こんなんでいいんか!」とツッコミたくなるものまで)を1本ピックアップ。たくさんの辞書を引くことにより「こういうコピーはアリ/ナシ」という客観的な基準を持てるようになるそうです。

そしていよいよ始まったプレゼンのお題は「先割れスプーンが買いたくなるコピー」。フォークのような、スプーンのようなあの食事道具(カトラリー)です。昔は給食でよく使われていましたが、最近は見かける機会が減りましたね……。果たしてこのお題をどう15人のゼミ生が料理するのか。5つの班に分かれて1作品ずつプレゼンしてもらいました。一番印象的だったのがこちらのコピー。

「魔法にひっかけられてすくわれた。」

フォーク・スプーン二つの特徴を捉えているだけでなく、幻想的な映像が目に浮かぶという想像力をかきたてる部分がいいなと! そしてもう一つインパクトがあったのが、ある男子学生のボツコピー。

「二股してもいいですか?」

どうでしょう、このインパクト。この言葉と一緒にイケメンのビジュアルがあったら主婦の気持ちをわしづかみできるのでは!? 学生さんが発表するコピーを飯田先生、柴本さんと評価しつつ「どの媒体でこのコピー展開すれば面白いですかね?」「このコピーに『奥様は魔女』のビジュアルつければ面白くないですか?」「それいいですね。って、なんでそのドラマ知ってるんですか。ダイゴロさん、おいくつでしたっけ?」などと楽しく授業は進行していきました。

またその際、飯田先生がチェックしていたのが学生たちの書いたゼミノート。話し合いの経過や出された切り口、コピー案などがすべてそこに書かれてあり「どれくらい深くこの課題について考えたか」「ボツ案の中に輝く宝石がないか」「良いアイディアに辿り着けたり、イラストなどを描いてユニークな切り口を見つけているか」などその思考回路を読み取れるノートだそうです。なるほど、ただ書かせて発表するだけではなく、そこに至るまでのプロセスも重視している授業なんですね……。

聞けばこのゼミ大変人気で、たくさんの応募の中から選ばれた優秀な学生さんの集まりだとか。まだ20歳前後でありながら、下手な新人コピーライターよりも、鋭くかつ強い言葉をすでに書けている印象でした。本格的にコピーを書き始めてまだ2か月なので、自分の作ったコピーの中から一番いいものを選ぶ方法がわからなかったり、プレゼンがぎこちない部分もあったりしたのですが、「絶対この子たちは、将来いいクリエイターになれる」と期待が強く持てる時間でした。まだ俺自身が半人前なんですけどね!

ゼミの後は、場所を移して「キャッチコピー茶話会」を開催。授業では緊張して言えなかったことや、お互いのプレゼンに対する感想などを、お菓子を頂きながらざっくばらんに話してくれました。未成年の学生もいるのでアルコールはなし。代わりに同席してくださった柴本さんが持ってきてくださったシュークリームなどをいただきつつ、皆さんに雑談として子供の頃の話などを聞いたのですが、「それ、自分の世代にとってはつい最近のイメージなんだけどォ!」と内心突っ込みたくなるジェネレーションギャップの激しさ。TVをほとんど見ないでスマホで育ったそうです。子供の頃、一番印象的だったCMがACの「ポポポポーン」だそうです。

震災のとき12歳前後だった子が、今20歳くらいなんですね……。経験はまだなくても、鋭く強い言葉の感性を持つ若い人たちがどんなコピーを作るのか。ぜひまた、腕を上げたゼミのみなさんを取材したいなと思いました。そして願わくは、公募ガイド掲載のコピー公募賞でその磨いたセンスを発揮してほしい……(編集長、雑誌の宣伝しっかりしてきましたよ!)。それでは、暑い季節の始まりを感じながら、瀬戸内レモンのキ◯ン〇モンをぐいっ。

お菓子以外にも過去の作品・有名広告著書が多く用意されたお茶会でした!

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