噛んで飲み込む時間

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2020.09.25

公募歴5年、入選回数は200以上。驚異の入選確率を誇る塩田友美子さんには、どんな秘密があるのだろう。読めば自分も入選できる!?

読書感想文は、こどもの定番公募ですよね!
我が家にも夏休み前、小学校から全国読書感想文コンクールのお知らせが来ました。
宿題ではなく、やるもやらぬも本人次第ですが娘は「やる!」とのこと。
しかし、選んだ本は70ページ弱で、文字数は800字程度という規定があり、正直なところ文字を習いたての我が子に書けるのか?と思いました。
原稿用紙に指定はなかったので、せめて大きめのマスのものを購入していざ挑戦。

こどもは一気に読むと疲れるようで、午前と午後に分けて一緒に読み進めました。
そして読み切った後「どう思った?」と聞くと、いまいち感想が出てこない。
内容も難しく宿題でもないので書けなくてもいいか、と思っていたのですが一週間ほどたったある日、急に「書く」と娘が言い出したのです。

しかし、初めての読書感想文に娘は出だしから迷っている様子。
助言はしたいものの、大人が口を挟んではせっかくのこどもの感性を台無しにしてしまうので、質問を4つだけしてみました。
「どうしてこの本を選んだのか」「題名を聞いてどんな話だと思っていたか」「読んでみたらどんな話だったか」「一番こころに残った場面の理由」です。
こうすると、「動機」「想像」「あらすじ」「感想」の構成ができ、読書感想文らしくなるかなと思ったのです。
慣れてきたら自分なりの書き方を見つけていくでしょうが、初めてのことだったのでおしゃべりをしたり相槌を打ちながら、親子で楽しくやりました。
そして、難しいと思っていた800字一気に書き終えたときには感動!
入賞云々より、「書けた!」という事実が心底嬉しいことでした。

文章を最後まで書ききるということは、こどもにとっても自信につながるようです。
今思えば、感想を書くまでの一週間は必要な咀嚼時間だったのでしょう。
常に考えているわけではなくても、頭の隅で「あれはどういうことだったのだろう」と考えを巡らせて自分なりの答えのようなものを出す。
こどもは特に時間を要するかもしれませんが、それは大人にも必要な時間かもしれません。
今後私が公募に取り組むうえで、テーマを見てすぐ書いて出すという癖を少し見直すと、何か違うものが書けるかもしれないなと感じた出来事でした。

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2020年6月12日 公募の輪
2020年5月22日 インタビュー後記
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2020年4月10日 掛け合わせ
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2020年1月17日 インプットする
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2019年11月18日 「進行形」の力
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2019年8月26日 抽選か審査か
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2018年11月16日 賞を深掘り!「響」文学賞
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2018年9月14日 どこに入っているの?
2018年8月24日 絵っ!?のレベル
2018年8月3日 大人も絵本を
2018年7月13日 締め切り対策
2018年6月22日 公募三種の神器
2018年5月22日 賞を深掘り! 各務原市文芸祭
2018年5月2日 賞を深掘り!「たった一言でコンテスト」
2018年4月13日 やってみる
2018年3月23日 はじまり
2018年3月2日 外からの目
2018年2月9日 エッセイのテーマ
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2017年11月9日 チャンスの大きい公募
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2017年9月22日 公募を始めたての頃
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